昨年9月に第4世代Apple TVを発表した時に、Appleは「TVの未来はアプリ」という明確なビジョンを示した。すでにApple TV向けアプリは8,000本に達しており、最も多いのは2,000本以上のゲームだが、ビデオコンテンツを配信するアプリも1,600本を超え、映画・ドラマ、TV放送などをApple TVで楽しめる環境が整いつつある。
だが、ビデオ配信サービスのアプリが増え、ユーザーが次々にインストールすると、各アプリで配信されているコンテンツを全て把握するのが難しくなる。アプリの切り替えも煩わしくなるだろう。
そこで「アプリによるTV」の次のステップとして、「Unified TV Experience (統合されたTV体験)」の実現に取り組む。「TV」という新アプリを用意し、ユーザーが視聴できる動画コンテンツを一カ所で把握して、そこから直接コンテンツにアクセスできるようにする。
キーノートのデモを見た感じでは、TVアプリが動画コンテンツを提示する方法はApple Musicに似ている。ユーザーはWatch Nowというセクションから、視聴中の作品やシリーズもののの最新エピソードなどに素早くアクセスでき(「次はこちら」)、おすすめ機能「Recommended」などを使って観るべきコンテンツを効率的に見つけ出せる。
TVアプリにもSiriが統合されており、ユニバーサル検索できるほか、新たに「Live Tune-In」という検索機能が加わった。CBS NewsのようなTV放送を視聴できるアプリのコンテンツも検索対象にする機能だ。たとえば、土曜の昼に「カレッジフットボールの試合を探して」というように頼むと、Siriが試合中継を探し出してくれる。
TVアプリのもう1つの特徴がiOSデバイスとの連携だ。TVアプリはiOSアプリも提供され、iPhoneやiPadでも動画コンテンツを楽しめ、全てのデバイスで視聴状態を同期できる。たとえば、iPhoneでTVアプリを開いたら、Apple TVで途中まで観ていたドラマがWatch Nowに表示され、iPhoneで続きを観るというようなことが可能になる。