ちなみにまったく表面を拭いていない状態で撮影した写真はこちら。
このように指紋は間違いなくつきます、ベッタベタに。ジェットブラックの手触りがしっとりと心地良く、つい触ってしまうのでしょうがないです。例えるなら、明治キャンディーのCHELSEAからベタつきを取ったようなツヤ感。手持ち無沙汰なとき、気づけば手元でくるくるとiPhone 7を回し、親指以外の4本指で愛撫してしまいます(下ネタじゃないですから!)。この見た目と質感だけで「よし、大切に扱おう」と愛着が沸くのだから不思議です。
指紋が気になる人はクロスなどでこまめに拭く必要があるでしょうが、高光沢で指紋のつきやすいスマホなんていくらでもあるので、スマホ好きこそ意外と気にならないかもしれません。そもそも指紋は拭けばいいし、キズや汚れも愛せばいいと思っています。シワやシミがある方が人として深みが出るのと同じです(似たようなことを天国の誰かが言っていたな……)。
なぜこんな検証をしたかというと、「ジェットブラック=傷つきやすい」の図式が事実かどうか確かめたかったからです。ジェットブラックの摩耗に人々が過敏に反応するようになったきっかけは、他ならぬApple自身でした。公式で「使用とともに光沢に微細な摩耗が生じる場合があります。摩耗が気になる方は、iPhone用のケースを使って表面を保護することをおすすめします」と注釈したため、ブログメディアが一斉に「傷つきやすい」と報じ、ジェットブラックを懸念する流れができてしまいました。
これだけ多くの人がiPhoneを使うようになったことで、さまざまな配慮が必要だったのは理解できます。他のカラーに比べ、摩耗しやすいのも事実でしょう。ただその公式アナウンスによる影響は想定外だったのでしょうか。ブログメディアの報じ方も無粋で、ろくに現物がない状態でメインで伝えるべき情報ではないでしょうよと。ジェットブラックを表すフレーズの筆頭が「傷つきやすい」ではないことは、すでに使っているユーザーならわかるはずです。
今回のケースでは、ジェットブラックが不安な人は他のカラーを選べばすむ話ですが、他に選択肢がない製品だったらそれなりのダメージが生じたのでは……といらぬ危惧をしてしまいました。
ジェットブラックはダンディズムの塊
個人レベルの話に戻すと、やはり大きなキズがついたらそれなりにショックです。そのため、街なかで持ち歩くときはギュッと握りしめて神経を集中させますし、口のゆるいポケットには気軽に入れないようになりました。
それを実用性がないと思う人もいれば、ダンディだと感じる人もいるでしょう。ダンディズムとはやせ我慢の美学。禁欲の上に成り立つ、一分の隙もない洗練された気質です。私の中でジェットブラックは、まさにダンディズムの塊です。
テレビ東京の連続ドラマ「俺のダンディズム」(2014年放送)で今「スマートフォン」というテーマがあったら、主人公の段田一郎は間違いなくiPhone 7のジェットブラックを選んでマダムMの店主美幸さんから「ダンディの世界へようこそ」と微笑みを向けられ段田の部下の宮本南から「課長、とってもダンディですよ」と褒められたことでしょう。
ジェットブラックとブラックで迷っている人がいたら、私はこうおすすめしています。「実用性を求めるならブラック、ダンディズムを取るならジェットブラック」。つや消しのブラックはジェットブラックに比べ、サラサラとした触感で指紋や傷が目立ちにくいのが特徴です。こちらはこちらで、使いやすさと高級感を両立させた良質なデザインだと思います。
さて、質感重視でジェットブラックを裸で使うと決めた人は、とってもダンディですね。しかしこれから毎日使うものなので、ナチュラル派こそ「AppleCare+ for iPhone」には必ず加入しておきましょう。iPhoneの購入日から2年間にわたり保証とサポートが付き、画面の損傷は1回につき3,400円(税別)、そのほかの損傷は1回につき11,800円(税別)で最大2回まで受けることができます。約10万円するアイテムに守る術を持たせず、保障すらつけないのは、ダンディズムを通り越してただのどアホウです。
すでにジェットブラックを手に入れた人も、これから買う予定の人も、余計な心配をせずに、素敵なiPhoneライフをお送りくださいませ。