今回発表されたネットワークCDレシーバー「NR-7CD」は、Referenceシリーズの最上位となる「Reference 7」のひとつという位置付け。CDプレーヤーとネットワークプレーヤーの機能に加え、140W+140W(4Ω)のプリメインアンプ機能を装備。Bluetooth入力にも対応し、コーデックには最大96kHz/24bitの再生が可能な「LDAC」をソニー以外の企業で初めて採用、apt-XとAAC、SBCもサポートする。

ネットワークCDレシーバー「NR-7CD」の設置例

基本設計としては、デュアルモノラル・ディファレンシャル・サーキットデザインを採用。DAC部からプリアンプ、最終段のパワーアンプに至るまでL/R各基板を対称に配置したデュアルモノ構成とし、全段をフルバランス伝送することで、チャンネルセパレーション向上と信号経路でのノイズ軽減を追求した。

NR-7CDの背面。ACインレット下には3点支持ピンポイントフットが見える

プリメインアンプ部には、ICEPower製Class-Dパワーアンプ「50ASX2」をL/R各チャンネルに1基搭載。Classg-Dアンプ採用の理由を開発担当者にたずねたところ、「Class-Dアンプは効率に優れ、パワーを稼げる。放熱に由来するきょう体設計の制約も少なく、デザインの自由度が高まる」という。DAC部には「VERITA AK4490」をL/R各1基搭載、アンプ部同様にデュアルモノ構成としている。

左右独立のDAC/アンプ部は厚いアルミ板に両面実装される(手前がDAC部、後方がアンプ部)

フロントパネルには左右独立のアナログメーター(国内メーカー製)が

DAC部とアンプ部は、10mm厚の高剛性アルミブロックの表面に片チャンネルのデジタルアンプを、裏面に同じチャンネルのDACとボリューム回路を実装している(AMAC、Aluminum-Block Mounted Amplifier Construction)。これをL/R各チャンネルに用意し、きょう体中央で抱え込むようにトランスを配置したという。

ヘッドホン出力は、3.5mm4極グランドセパレート端子を採用、L/Rグランド分離接続に対応している。CDドライブはSACD非対応だが、自社製造のオーディオ用CDドライブメカを搭載、回転速度を抑え安定した再生を実現しているという。

ネットワーク経由で再生可能なフォーマットはDSDが最大5.6MHz、PCMが最大192kHz/24bit。OpenHome互換でギャップレス再生に対応、専用アプリ「TEAC HR Streamer」で遠隔操作できる。PCM音源を最大DSD 12.2MHz/PCM 384kHzにアップコンバートできるティアック独自の回路「RDOT-NEO(Refined Digital Output Technology)」も搭載、CDやBluetoothなどネットワーク以外の入力にも適用できる。

Reference 5シリーズの参考出品も

発表会場では、開発段階の製品としてReference 5シリーズ「AI-503」を参考展示していた。ヘッドホンアンプ内蔵USB-DAC「UD-503」をベースとし、DACには「AK4490」を採用、DSD 12.2MHzおよびPCM 384kHz/24bitに対応するなど多くの仕様は共通するが、アンプ部を追加してスピーカー出力も可能としている。ヘッドホン出力端子にグランド分離設計の3.5mm4極ミニ端子を採用したことも、UD-503との相違点だ。

参考展示されていたReference 5シリーズ「AI-503」

Bluetooth入力は、ハイレゾ相当の高品質再生を可能にするオーディオコーデック「LDAC」に対応。前面の3.5mm入力端子はLINE/OPTICAL兼用(自動検出)、DAPなど小型端末から高品質な入力を可能としている。

AI-503の背面。基本スペックはUD-503と同等だが、アンプ部の追加によりスピーカー端子が用意されている

AI-503のフロントパネル。LINE/OPTICAL兼用の入力端子が用意され、DAPなどポータブル機器の接続が容易になった