ティアックは10月19日、「NEW VINTAGE」をキーワードとした新製品発表会を開催した。発表された製品は、フルサイズのネットワークCDレシーバー「NR-7CD」と、ライフスタイル提案型のネットワーク対応オーディオシステム「WS-A70」の2モデル。NR-7CDは2017年1月下旬、WS-A70は2017年春の発売を予定している。

"NewVintage"を掲げるフラッグシップラインのネットワークCDレシーバー「NR-7CD」

発表会の冒頭では、代表取締役社長の英裕治氏がティアック創業以来の企業理念とオーディオ機器業界の動向について説明。「商品がコモディティ化するとメーカーの個性が消えてしまう」と述べたうえで、もう一度ものづくりに真摯に取り込む姿勢を強調した。

代表取締役社長 英氏

具体的なアプローチとして、チーフマーケティングオフィサーを採用し、市場を分析して製品ラインナップの再構築を進めていることを紹介。ハイエンドオーディオで高い認知度を誇る同社Esotericブランドを引き合いに出し、「ティアックというブランドを使い新領域を拓いていきたい」(英氏)と説明した。

続いて登壇した音響機器事業部 コンシューマーオーディオビジネスユニット長の大島洋氏は、ハイレゾ市場が3年前と比較し4倍に成長するなど市場動向について触れたうえで、創業者・谷勝馬氏の「世界最高の製品を生み出す、商品になにより大切なのはクオリティである」という言葉を紹介。これまでは各製品のイメージがまちまちだったという反省を踏まえたうえで、「"匠の技"に徹底的にこだわっていきたい」(大島氏)と、"いい音"にこだわる姿勢への回帰やハイレゾに注力する方針をアピールした。

新製品「NR-7CD」の紹介にあたったマーケティング本部の寺井翔太氏は、音の特性や微妙なニュアンスを聴きわけられる人材を奨励する社内制度「ゴールデンイヤープログラム」を紹介。NR-7CDのサウンドチューニングにも、ゴールデンイヤー資格者が参加しているという。製造はデータレコーダーやEsotericブランド製品を生産している青梅工場で行われる。NR-7CDの詳細については後述する。

オールインワンタイプのネットワーク対応オーディオシステム「WS-A70」

オールインワン型の「WSA-70」は、"木と布"をテーマに開発。ウォルナット突板仕上げのきょう体には、前面に同軸2-WAYスピーカーを2基、背面にはパッシブラジエーターを2基配置。ネットワークプレーヤーとワイヤレスレシーバー(AirPlay対応、BluetoothはLDACをサポート)の機能を内蔵するほか、ハイレゾ音源の再生にも対応するという。サランネットの布は相当の種類を用意するが、本体購入後にサンプルを確認したうえで別途注文する形になる予定とのこと。

「新生ティアックのNEW VINTAGEに期待する」というテーマで講演したデジタルメディア評論家の麻倉怜士氏

スペシャルゲストとして登壇した多摩美術大学教授の和田達也氏と俳優・歌手の半田健人氏

オープンリールテープレコーダで演奏する3人グループ「オープンリールアンサンブル」によるパフォーマンスも披露された