旭化成のオーディオチップと国内初のDolby ATMOS採用で音にコダワリのスマホ
ZTEジャパンは10月13日、フラッグシップのスマートフォンとなる5.5型「AXON 7」と5.2型「AXON 7 mini」の発表会を開催。スペックなどの概要は既報『ZTE、ドルビーアトモスやハイレゾ対応のSIMフリースマホ「AXON 7」シリーズ』を参照いただきたいが、両者ともOSにAndroid 6.0を採用したSIMフリーのスマートフォンだ。
大きな特徴は、ハイレゾ音源の再生やドルビーアトモスに対応したサウンド面。いずれも10月21日から発売し、価格(税別)は「AXON 7」が59,800円、「AXON 7 mini」が39,800円となる。
裏面。アンテナのための分割ラインがちょっとくっきり見える以外はいい感じだ |
外部接続はUSB Type-Cコネクタだが、中身はUSB 2.0規格で超高速データ転送というわけではないようだ。給電はQuick Charge 2.0対応 |
発表会ではまず、ZTE本社のHerbert Chan氏があいさつしたのち、ZTEジャパンの荒井氏が製品を説明。今回のこだわりポイントは何よりも音、そしてデザインとカメラにも特色があるとした。
ZTE Corporation Macketing Director of Device EMEA and APACのHerbert Chan氏 |
ZTEジャパン モバイルターミナル事業部 デザイン兼商品企画ディレクタの荒井厚介氏 |
音に関しては、スマートフォンの常識を越えるオーディオ体験を提供すると自信を見せる「PureSound 1.0」を搭載。構成要素として、音楽大学と提携したPROチューニング、ハードとソフト設計がポイントになったという。
サウンド面のハードウェアに関しては、旭化成エレクトロニクスの高性能チップを搭載。特にAXON 7は、高級オーディオ機器に利用するような高性能D/Aコンバーターチップを単独搭載しているのが特徴だ。
旭化成エレクトロニクスの音響チップを搭載。AXON 7にはAK4961とAK4490を搭載。後者はハイエンドオーディオ機器に使われているD/A専用チップだ |
ANOX 7 miniにはAK4962を搭載。D/Aコンバーターを統合したオーディオチップだ |
ここで旭化成エレクトロニクスの小瀧氏を紹介。小瀧氏は「アナログ技術がオーディオ機器の音を決める」とし、オーディオ市場に30年の歴史と25億個のデバイス実績を持つ同社のオーディオチップは音で空間を表現すると語った。
詳細は省くが、ブランド名「VELVET SOUND」を冠するDACなどのデバイス群は、音質面の評価と認知が急速に拡大中だ。AXON 7にはオーディオ統合チップ「AK4961」とD/Aコンバーター「AK4490」を搭載、AXON 7 miniにはオーディオ統合チップ(D/Aコンバーター統合)の「AK4962」を搭載している。
旭化成エレクトロニクス シリコンソリューション事業部 オーディオ&ボイス事業開発部 Audio Quality Expertの小瀧敬氏 |
当たり前と言ってはなんだが、オーディオの質を決めるのはアナログ技術 |
旭化成エレクトロニクスとして、8mm厚のスマホ筐体で高級オーディオと同等レベルの音を出すのはチャレンジングだったそうだ。スペースの制約だけでなく、通信モジュールとのノイズ対策が課題となったが、この辺りはZTEラボと共同で音質チューニングを行ったという。今後も「昨日まで世界になかったものを提供したい」と締めくくった。
引き続き、ソフトウェアの観点でDOLBY JAPANの大沢氏を紹介。大沢氏は「50年前からDOLBYが臨場感あふれる音の技術を提供してきたが、現在のDOLBY ATMOS(ドルビーアトモス)は、20年ぶりぐらいのサウンド技術の大革新」と強調した。従来、スピーカーを増やすことで周囲を覆うサラウンドを発展させてきたが、DOLBY ATMOSを使って立体感を提供。具体例として、「鳥の羽ばたきの音でどこに動いているかわかるようになる」と例えた。
DOLBY ATMOSは、映画館のTOHOシネマズや、ヤマハのサウンドバー「YSP-5600」などで採用されているが、まだ普及は始まったばかり。スマートフォンでは国内初の採用となるAXON 7とAXON 7 miniによって、画期的なエンターテイメントサウンドを体感してほしいと語りかけた。