金利には変動金利と固定金利がある
金利は、借入期間中はずっと利率が変わらない固定金利と、経済状況などに合わせて利率が変わる変動金利の2つとなっています。普通預金は変動金利が多いです。定期預金では、半年ごとに金利が見直される変動金利のタイプと、満期まで金利が変わらない固定金利のタイプがあります。
また、住宅ローンなどでお金を借りる際には、変動金利と固定金利を選ぶことができます。固定金利タイプは、借入期間中に支払う金利も含めて支払総額が確定します。一方、変動金利タイプは、借入期間中に金利が変わる可能性がありますから、最終的にいくら支払うことになるのかを把握できません。
金利はどうやって決まる?
金利の水準は、様々な要因によって決まります。例えば、借入期間が長い方が、短いよりも金利は高くなります。これは、期間が長くなるほど、借りた人が途中で返せなくなるリスクが高くなるためです。同じ理由で、借りる人の信用度が低いと、金利が高い傾向があります。審査が厳しく、信用度の高い人の方が借りやすい住宅ローンに比べて、比較的審査が緩やかなカードローンの金利が高いためです。
また、借りる人の要因とは別に、経済の動向によっても金利は左右されます。例えば、物価はインフレのときに金利が高くなります。モノの値段が上がり、モノを買うために多くのお金が必要になり、お金を借りたい人が増えるためです。逆に、デフレのときはモノの値段が下がり、必要なお金が少なくなるため、お金を借りるニーズが低くなり、金利も下がります。
ほかにも、日本銀行が金利の引き上げ政策を行うと、市中の金利が全体的に上がりますし、景気が低迷しているときに「金融緩和」と呼ばれる金利の引き下げ策を行うと、金利が下がります。
いかがでしたか。日頃はそもそも金利って何? と考える機会が、余りないかもしれませんが、基本的なことを知っておくと、お金を増やしたり借りたりするときに役立ちますよ。
筆者プロフィール:加藤梨里
ファイナンシャルプランナー(CFP)、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 特任助教
保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーのご相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。大学では健康増進について研究活動を行っており、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方、健康管理を兼ねた家計管理、健康経営に関わるコンサルティングも行う。