高精度な心拍計測技術に自信

製品発表会の冒頭、ポラール・エレクトロ・ジャパン代表取締役の園部英生氏が登壇して事業展開について説明した。一般消費者向けだけでなく、プロ向けにも幅広い製品ラインナップを展開している同社。精度の高い心拍計測技術に自信を持っており、これにより競合他社との差別化を図っている。

高精度のデータは、様々な事業分野で引き合いがあるとのこと。その一例として、プロサッカーチームでは計測データが選手の強化プランに反映されていること、スポーツジムでは会員の顧客満足度の向上や体調管理に貢献していること、大学などの教育機関におけるスポーツ医学の分野でも研究に使われていることなどを挙げた。

ポラール・エレクトロ・ジャパン代表取締役の園部英生氏(左)。製品発表会の会場には活動量計の「M400」(左下)、「A360」(右下)なども展示されていた

活動量計「Loop 2」(左上、右上)、「H7心拍センサー」(左)

スポーツに特化したSmart Coaching機能

続いて、ポラール・エレクトロ・ジャパン マーケティングマネージャーの齊藤陽一郎氏は、Polar M600の機能詳細について説明。想定するターゲットとして、最新のテクノロジーやガジェットに対して強い興味・関心がある層に向けて開発されたという。

最大の特徴となるのが、「Smart Coaching」機能。毎日の活動量を5段階で表示できる「アクティビティ・ガイド」、個人データ(身長、体重、年齢など)に基づく正確な消費カロリーを表示できる「スマートカロリー」、スポーツやトレーニング後に効果について説明を表示する「トレーニング効果」、ランニング中に計測された心拍数と速度データを基にしたランニング効率数値「ランニングインデックス」などを利用できる。

ポラール・エレクトロ・ジャパン マーケティングマネージャーの齊藤陽一郎氏(左)。Smart Coachingでは、スポーツに特化した様々な機能を利用できる(右)

「ランニングプログラム」は、5km、10km、ハーフマラソン、マラソンに向けたトレーニングをサポートする機能。個人の特性、トレーニング背景、準備期間などを考慮して、イベントに向けてランニングプログラムを自動作成できる。齊藤氏は「急激なトレーニングを避け、徐々にビルドアップできる。まるでパーソナルコーチに見てもらっているかのような安心感が得られる」と語る。このほか「スポーツプロファイル」では、100種類以上のスポーツやトレーニングをプリセット。選択したスポーツやトレーニングごとのプログラムに基づいて、消費カロリーなどが計算されるという。

スポーツプロファイルでは、100種類以上のスポーツからトレーニングを選択可能

なお、Polar Flowウェブサービス&アプリを利用すれば、1日の活動量、睡眠の質、トレーニングの効果などを見やすい画面で確認でき、Facebookへの投稿にも対応している。音声コントロールにも対応しており、例えば「OK, Google. Runnning start.」のように話しかけることで、ランニングのトレーニングモード計測を始められる。

Polar Flowウェブサービス&アプリの利用イメージ(左)。Android Wear搭載によりGoogle Play Musicの利用、音声コントロールの利用が可能(右)

Polar M600の発売時期と希望小売価格。カラバリはブラックとホワイトの2色で展開する。オンラインストアを含む全国の正規取扱店で発売する予定

競合製品との差別化要素は?

この後、質疑応答に園部氏、齊藤氏が対応した。競合製品との差別化について聞かれると、園部氏は「弊社の製品は、心拍計測の正確性に重きを置いている。それがPolar M600に込めた想い。かなり精度の高い計測が可能になった。その代わり、LEDがつきっ放しのためバッテリーの消費量も大きい。心拍を測るという製品コンセプトが違うため、他社製品とは差別化できていると考えている。心拍計測の精度にこだわった製品は、市場にそれほど多くはないのでは」との認識を示した。

先のプレゼンでは「(男性に多い)ガジェット好きな層にアピールしていきたい」と説明があった。これについて、具体的にどんな人にアピールできそうか聞かれると、園部氏は「新しいテクノロジーを生活に取り入れたい、最新型の機器が好きというモチベーションのある方が対象になる。Android Wear、正確な心拍計測、といった部分がキーになる」と回答。一方で「ランニングしている方のデバイスに対する感心度は、男女ともに高い」とも説明。女性層には、ランニングと絡めた製品で展開していく考えのようだ。