デートはワンピースにスニーカーで
――そこから『アイドルマスター ミリオンライブ!』や『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』などの声優業だけではなく、StylipSやPyxisといったユニットでも活動してきました。そして伊藤さんは、2016年10月12日、20歳の誕生日に日本コロムビアからソロアーティストとしてCDデビューします。
最初にお話をいただいたときはびっくりしました。去年の10月に開催した1stライブ「Miku's Adventures 2015」では、初めて一人でライブをやらせてもらったんですけど、「一人で歌うのも楽しいかも」と思っていたところだったんです。驚きもしましたけど、楽しみですね。やる気に満ちています!
――不安などはまったくなかった?
……ちょっとは、ありましたね。自分一人でメジャーデビューをして、自分一人の世界で音楽を作っていかないといけない。責任感が出てきますね。
――ここからは一曲ずつお聞きしていきたいと思っています。まずはA面の「泡とベルベーヌ」。一昔前くらいのアイドルソングをイメージしますね。
それはよく言われます。キャッチーで覚えやすいメロディーで、キュンキュンする歌詞なんですよ。恋する気持ちやもどかしさが書かれていて。
――少女から大人になる瞬間を切り取っていて。
まさにその通りです!
――19歳から20歳になる瞬間にデビューする伊藤さんにピッタリですね。
はい! 可愛らしくも凛としていますよね。歌詞も「自分らしさは捨てないで、恋をしていく」という内容んですけど、私も自然体でいたいなと思うタイプなので、歌詞を見たときは嬉しかったです。
――歌詞でお気に入りの部分はありますか?
AメロやBメロでは結構妄想をしていて、「こうだったらいいな、こうしたいな」とか女の子らしさが詰まっていて、サビの部分でデートに向かう。でも、「自転車で行こう」や「ワンピースにスニーカー」とか、デートに行くのに自転車で、ワンピースを着てるのにスニーカーなんだなって。あと、2番のAメロの「新しい帽子はやめて いちばんなじむお気に入りかぶった」。背伸びはせずに、安心する帽子をかぶっていく。
――そのあとに「もしからしたら今夜 彼にさらわれていってしまうかも 何かひとつ 安心できるものをつけたい」と続いていく。
自分らしさは捨てずに、相手に好きになってもらいたいなという芯の強さが現れていますよね。好きなものは好きだから、気持ちは曲げない、好きですね。
――伊藤さんもそんなタイプなんじゃないかなって。
私もワンピースにスニーカーでデートに行くと思います(笑)。足が疲れちゃうので、いっぱい歩けるように!
――MVも撮影しましたね。歌詞に沿った内容で自転車にも乗って。
乗りました! いやー、晴れてよかったです。MVの撮影は楽しかったですね。バスタブの中でお湯に浸からず、リップシンクを撮影しました。ストーリーに沿っているんですけど、オシャレも忘れていない。ライティングもカラフルでポップ。あんなお風呂、実際にはないとは思いますけど(笑)。ワクワクの気持ちや恋をしている気持ちを背景に現しているところがお気に入りです!
――「泡とベルベーヌ」はとてもお気に入りで、素敵な誕生日プレゼントになりましたね。
20歳の誕生日に、表現者としてまた一歩踏み出せるのが嬉しかったです。20歳になるので、大人にならなきゃって気持ちもありますし、ソロデビューを通じて、成長できたらいいなとも思います。
自分らしさは忘れないように
――2曲目は「Morning Coffee」。20歳の誕生日、そしてソロデビューと新しい未来へと向かっている伊藤さんのためのような曲ですね。
「混ざってゆくラテ・アート」や「注いでみてカプチーノ」とか、かわいらしい言葉が散りばめられているんですけど、よく歌詞を見ると、エールを送っている応援歌なんですよね。10代特有の子どもらしさもありつつ、大人に憧れているもどかしさや、悩みの部分を表現していて、チクチク刺さります。それらをストレートに歌詞で落とし込むのではなく、ラテ・アートやミルクに例えているのが女の子らしいですよね。
――「こだわりだって大事だよね 信じていれば 魅力になる いつか」という部分が個人的に気に入っていて……。
私と一緒です! ここはレコーディングするたびに、何回か泣きそうになっちゃいました。かわいくストレートに伝えようと思って歌っていたんですけど、いざ聞き返すと、「なんていい歌詞なんだろう」って。この言葉に背中を押されながら、がんばってレコーディングをしました。
――ちょっと脱線して、伊藤さんの「こだわり」についても聞いてみたいですね。
こだわり……なんだろう。先ほども言いましたけど、自分らしさは忘れないようにしようと思っています。声優としての演技だったり、ステージ上でだったり、あまり飾りすぎないようにしようと意識しています。あ、ライブはこだわりがあるかもしれないです。「Miku's Adventures 2015」でもそうでしたけど、曲順の他にも、「このMCのあとの映像企画はこれがいい」とか、「ここのダンスはもっとこう動こう」とか、「体を横にしてみたほうが客席から見たとき綺麗じゃないかな」とか。
――構成や演出まで決められているんですね。かなりこだわっていますね。
そうかもしれないです(笑)。あとは、目玉焼きには醤油をかけるとか、どんなに遅くなっても夜ご飯は絶対に食べる! そして、夜食は週に1回!
――それは抑えるという意味で?
抑えています。おいしいおにぎりとかカップ麺は週の1回のお楽しみにしようと思っています。一週間に2個食べてもそんなには変わらないとは思うんですけど(笑)。
――大好きなじゃがりことか。
じゃがりこ! 夜中に食べるとおいしいんですよね。炭酸飲料と一緒だとなおおいしいです!
――いまは何味がブームですか?
サラダかじゃがバターかなあ。あ、いまはアスパラベーコンが好きです。地方限定や期間限定のものも出たら買っちゃいます。お菓子のこだわりですね!
――ブログでもよくじゃがりこのお話をしていますもんね。曲の話に戻って、お次は「七色Cookie」。
「泡とベルベーヌ」は恋の歌、「Morning Coffee」は背中を押すエールの歌。そして「七色Cookie」はオシャレにあこがれている女の子の等身大の気持ち。それこそ10代20代の女性には共感してもらえる曲になっていると思います。イメージ的には、ちょっとワガママなかわいい女の子のイメージで歌わせてもらっています。でも、よく歌詞を見ると頭のいい子なんだろうなって。
――芯が通っている女の子ですよね。
「私はこうだから」という女の子の意見で、聴いている人も勇気づけられると思います。悩んでいるときに聴くと、「なんでこんなことに悩んでいたんだろう」って気持ちになってもらえると思います。
――「七色Cookie」で気に入ってる歌詞はありますか?
「流行りの瞬間だって 聞き耳をぴょんと アンテナみたいに」というところが、女の子らしくて好きなんです。私もそうなんですけど、若い女の子は敏感で、流行りに乗りたがりますよね。そういった部分がこのワードに詰まっています。あと、「本日はArtist お任せ下さい」、「本日はStylist お召し物だって」の部分。もう「自分が中心よ」、「私が全部決めるの」って気持ちで、芯の通っているところが好きですね。私もそういったオシャレな人でありたいなと思いました。