Maxim Integratedは米国時間の9月28日、第2世代のMicroPLCとして「Pocket IOプラットフォーム」を発表したが、これに関する説明会が事前に行われたのでその内容を紹介したい。

まず挨拶に立ったマキシム・ジャパンの滝口修氏(Photo01)は、日本市場における同社の産業分野向け売り上げの比率がすでに2割近くなったことを説明し(Photo02)、PLC向けソリューションは日本にとっても重要な位置づけにあるとした。

Photo01:マキシム・ジャパン代表取締役社長兼Maxim IntegratedのVPの滝口修氏

Photo02:産業機器向けだけで20%ちかく、その他のものまで入れると30%近い売り上げになっており、これに昨今急速に増えている自動車関連向けをあわせると50%を超える売り上げになるとしていた

続いて説明に立ったSui Shieh氏(Photo03)は、まずIndsutriy 4.0の普及が始まっている、という所から話を始めた。特にロボットなどを駆使する自動化は、このところ年率6%程度の成長を遂げており、この動向は今後ますます盛んになると考えられる。Maximの産業機器向け製品はまさしくこのマーケットに向けたものであり、この高まる需要をきちんとキャッチアップする必要がある。ではこうした自動化の現場で何が求められているのか? といえば、より小型で消費電力が少ないもの、なのだとする。

Photo03:VP & GM of Industrial & Healthcare business unitのSui Shieh氏。手に持っているのが、今回発表されたPocket IO

Photo04:Industry 4.0による生産性の向上(による相対的な先進国におけるコストの低減)と、中国における人件費の高騰により、中国で行われていた生産を本国に戻すという事例がいくつかあるとした

Photo05:Manufactureing & Process AutomationのすべてがIndustry 4.0という訳ではないが、逆に言えばIndstry 4.0は間違いなくこの中に含まれている

Photo06は「非常に判りやすい例」ということでShieh氏が取り上げたものだ。ご覧の通りロボットを使った製造工程であるが、以前は1台あたり4台程度のロボットで作業を行っていたのが、今ではロボットの小型化で6台が動作できるようになっており、その分生産性があがっている。ただ、以前はそのロボットの制御は外付けのボックス内で行えていたが、台数が増えるとそうも行かなくなるわけで、今ではロボットの中に制御ユニットを収めないといけなくなっている。

Photo06:もちろん同社が提供するのはあくまでも制御ユニットの中の一部のコンポーネントだけであるが、そうしたコンポーネント単位での小型化や省電力化が強く求められる時代になってきている、と言うわけだ

さらに言えば、そうなると放熱は非常にクリティカルな問題で、冷却ファンなどを搭載できる環境ではないから、余分な発熱は最小限に抑えたいわけで、省電力性も非常に重要というわけだ。

また昨今のロボットの場合、7軸自由度を持つものもあり、これを遅延無く制御するためにはやはり離れた場所に制御ユニットがあるのは好ましくない。またロボット同士が協調動作を行い、例えばあるロボットが不調になったら別のロボットが代替するなんて動き方もするため、集中制御というよりは分散制御をいかに効率的に行うかといった課題もある。こうした自動化の進化にあわせて、同社の製品もまた進化する必要があるというわけだ。