新たなニーズを開拓できた
説明会の冒頭、パナソニックの役員でアプライアンス社の副社長であるコンシューマーマーケティングジャパン本部の河野明氏が登壇。パナソニックでは、共働き世帯の増加、高齢者の単身・二人世帯の増加、高まるセキュリティ意識といった社会的背景を受けて、2015年10月からホームセーフティー製品群「スマ@ホーム システム」を提供している。
その結果、女性の利用者が6割以上、さらに世代としては30代~50代が85%を占めた。子育て世代、あるいは両親の様子が気になる世代が多く利用しているとのことで、河野氏は「女性から大きな反響を得た。市場に新たなニーズを開拓できたのではないか」と分析した。
ブルーレイで培った技術を応用
続いて、パナソニック システムネットワークス コミュニケーションプロダクツ事業部の南恭博氏が製品の詳細を説明した。外でもドアホン「VL-SWH705KS」は、世界的に普及しているDECTに準拠した製品で、同社の提供する「スマ@ホーム システム」各機器と連携できる。周波数は1.9GHz帯を使用しているため、家庭内のWi-Fiや他の電化製品とも干渉の心配がない。このほか、ブルーレイでも使われている信号圧縮方式「H.264 デジタルクリア信号処理」により、高精細な動画で来訪者を確認できる。モニター親機にSDカードを挿入すれば、1件につき最大30秒間の動画を録画することも可能だ。
おはなしカメラ「KX-HC500-W」は3台までのスマホを登録可能で、カメラからスマホを呼び出すことも可能。南氏は「例えば家に帰ったお子さんが、再び外に遊びに行くとき外出先の母親に連絡できる」といった利用シーンを紹介した。
「スマ@ホーム システム」ではこれらの製品に加えて、屋外バッテリーカメラ「KX-HC300S-H」、LEDセンサーライト「KX-HA100S-H」、お知らせチャイム「KX-HA200-W」も同時期の発売を予定。こうした機器をお互いに連携させることで、パナソニックでは各家庭のニーズに沿ったセキュリティ対策を提供していきたい考えだ。
パナソニックは今後、こうした製品群とソリューションを国内だけでなく海外にも展開していく方針。南氏は「事業をさらに拡大する。機器連携の強化、ドアホンの買い替え促進などを図り、ホームセキュリティ事業の成長を加速させていく」と意欲的に語った。
綾瀬はるかさんだったら何に使う?
質疑応答では、河野氏、南氏が記者団の質問に回答。事業展開について聞かれると、南氏は「電話機やFAXといった機器の市場規模が徐々に減少してきている。そこで、成長戦略としてスマ@ホーム システムを伸ばしていきたい。今回発表したホームネットワークを入れ込んだ商品によって他社との差別化を実現し、販売数を伸ばしていきたい」とした。
新商品について技術的に難しかったポイントを聞かれると、南氏は「H.264によって、アナログからデジタルに転換したこと」を挙げた。先述のように、ブルーレイの開発で培った技術を応用している。また、外でもドアホンは賃貸住宅にも付けられるのか、という質問に河田氏は、「付けることは可能だが、部屋を出て行くときに、現状復帰できるかという問題はある」と回答した。
このあと、壇上にはスペシャルゲストとして女優の綾瀬はるかさんが登場。映画の撮影が始まると、長いときは1か月半も家を空けることがあるという綾瀬さん。
新製品の印象について聞かれると、「長く家を留守にしても、外でもドアホンがあれば安心。宅配の人には、そこに置いておいてください、などと伝えられる」と興味を示した。また、実家で柴犬を飼っているという綾瀬さんは「おはなしカメラで、たまにしか会えない愛犬の成長を見守りたい」と笑顔で話していた。