Firefox 49の新機能

Firefox 49の新機能であるが、以下の通りである。

  • ログインマネージャが更新され、保存されたHTTPでのログイン情報を使ってHTTPSでアクセスした場合にもログイン可能に。この目的はLet's Encryptと、より安全なWeb利用の促進をサポートするため
  • リーダーモードに以下の機能を追加、(1)幅と行の高さを調整可能に (2)ページのコンテンツを読み上げる際の声が大きく
  • ハードウェアアクセラレーションがないシステムでもSSSE3命令セットがサポートされていれば、動画のパフォーマンスが向上
  • HTML5のvideoとaudioに対するコンテキストメニューで、ループ再生と1.25倍速再生が可能に
  • Mac版には以下の改善を実施、(1)ハードウェアアクセラレーションのない環境での性能向上 (2)フォントのアンチエイリアスが改善
  • about:memoryが改善され、フォントのメモリ使用量が確認可能に
  • ハードウェアアクセラレーションのないWindows環境での性能向上

ルック&フィールで大きく異なるのは、リーダーモードの新機能であろう。リーダーモードでは、Webページ上のボタンや広告背景画像などを削除し、文字の大きさやコントラスト、レイアウトを設定できる機能だ。このリーダーモードに、読み上げ機能が追加された。さらに、生成されたページのテキストやフォント、読み上げの音声を調整することができる(図4)。

図4 リーダーモードに追加された調整メニュー

図5では、動画のコンテキストメニューに[ループ]が追加されている。

図5 動画のコンテキストメニュー

修正・変更点は、以下の通りである。

  • Mac版のFirefoxが、事前にインストールされているものを除き、更新ができない問題が修正(管理者権限を持つユーザー同様、更新が可能に)
  • Mac OS X 10.6、10.7、そして10.8のサポートが終了
  • Windows版でのSSE命令を持つプロセッサに対するサポートを終了
  • Firefox Helloが廃止
  • Graphite2が標準で再び有効に

Firefox Helloが廃止について、Mozillaでは、以下のアナウンスを行っている。

Hello の代わりとなるいくつかのサービスも紹介されている。もし、必要であれば、参考にするとよいであろう。開発者向けに関する新機能は、以下の通りである。

  • ネットワークモニタに発生源の列が追加。ここには、ネットワークリクエストが発生した理由が表示されます
  • Webスピーチの音声合成APIが利用可能に

また、Firefox 48で導入されたマルチプロセス化のElectrolysis(e10s)であるが、Firefox 49では、対象範囲を拡大し、正常な動作が確認されている一部アドオンを利用しているユーザーにも提供される。Mozillaで行ったテストでは、反応性が400%の向上が確認されたとのことである。今後も、対象が拡大される予定である。

セキュリティアップデート

今回のバージョンアップでは、以下のセキュリティアップデートが行われた。

  • Firefox 49で修正されたセキュリティ脆弱性[最高]

今回は最高レベルが1件のみであった。