メッセージングビジネスの競争はどうなるか?
メッセージング市場は、2016年以降、さらに競争が激化することになる。2016年夏に、日本発のLINEが日米市場で株式公開をした。センスの良いコミュニケーションとビジネスが世界でいかに受け入れられるかに注目が集まる。またグーグルは、新しいメッセージングアプリAlloをリリースする予定だ。人工知能Googleアシスタントを搭載している点が売りで、新たな賢いメッセージング体験に期待が集まる。
アップルは、iPhone・iPad・Macでやりとりができる独自のメッセージサービスiMessageで、開発者やクリエイターがiMessage向けにアプリの機能やスタンプを販売することができるようにした。
iPhoneに新たなアプリを入れなくても、電話番号だけで利用できるサービスのプラットホーム化は、Androidユーザーを全て無視したとしても、手強い相手となる。特にアップルは、2016年初頭、テロ犯のiPhoneのロック解除でFBIと論争を巻き起こし、個人のプライバシーを重視する方針を強調した経緯がある。
LINEの乗っ取りや、グーグル、フェイスブックによる個人利用活用を前提とした広告モデルの存在と一線を画す「iMessageならではの特徴」として、アップルは今後もプライバシーを争点にしていきたい考えだ。
乱立状態のメッセージング競争だが、あまり「一つのサービスに集約されていく」という考えを持たなくても良いかもしれない。例えば、若者がInstagramやFacebookよりも、Snapchatを好んで使っている理由は、ネットワーク上に「親がいないから」。
米国では世代ごとにサービスを使い分ける様子が顕著であり、フェイスブックが「自社のMessengerもWhatsAppも保持したい、Snapchatも欲しい」と考える理由でもある。そのため、WhatsAppもMessengerも、並列したメッセージングチャネルとして、同じビジネスモデル、すなわち企業ユーザーへの課金を行っても驚きはない。