1月9日より上映中の劇場アニメ作品『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(通称:キンプリ)のイベント「KING OF PRISM Over the Rainbow SPECIAL THANKS PARTY!」が9月11日、東京・国際フォーラムで開催され、声優の柿原徹也・前野智昭・増田俊樹が登壇した。今回は昼の部をレポートする。
本イベントは、本編上映とトークの二本立てで行わなれた。国際フォーラムには昼の部・夜の部合わせ、3000人のプリズムエリート(ファンのこと)が集結。日本全国や韓国で実施されたライブビューイングも合わせると、プリズムエリート合計約2万人が同時に応援上映をするという史上初の試みとなった。
本編上映後、神浜コウジ役の柿原徹也、速水ヒロ役の前野智昭、仁科カヅキ役の増田俊樹が、プリズムジャンプ「二人で行こう! 純愛トキメキサイクリング」の映像に合わせ登場。胸元には紫、水色、緑のおそろいのコサージュを装着している。実際に自転車を用意しての「Over The Rainbow(オーバー・ザ・レインボー)」の登場に、エリートたちの歓声は鳴り止まない。ちなみに、昼の部ではまたがるだけだったが、夜の部では自転車に乗りステージを横断するというシーンも。
「Over The Rainbow」(略称:オバレ)の3人が揃うのは、2013年12月22日に竹芝ニューピアホールにて行われた「プリティーリズム☆クリスマスNight ~プリズム☆ファンパーティー~」や、2014年9月7日に開催された「プリティーリズム・レインボーライブ Over The Rainbow デビューアルバム発売記念イベント」以来となる。『キンプリ』のイベントとして3人が集まるのは、今回が初だ。
さっそく最初のコーナー「ときめきプリズムアンケート!」へ。本コーナーは、出題されたテーマに対してオバレがトークを繰り広げ、誰のトークに一番共感できたかを、エリートたちが判定するというもの。
まず、「コウジの手料理で食べたいものは?」というお題に対し、増田は「イタリア料理と合成したラーメン。名前も奇をてらっているかもしれない。『僕のすっぽんぽんラーメン』」と難解な料理名を得意とするコウジに合わせた料理名を提案し、柿原は自身が食べたいという理由で「トンカツ」を挙げ、本編でも披露した、「清里で元気いっぱいに育ったジャージー牛の朝採れ濃厚ミルクをたっぷり使ったブランマンジェ」を例に出し、「朝採れブタ」と命名。対する前野は、『レインボーライブ』でコウジが母親に作ってあげた料理「ボンゴレビアンコ」に注目。『レインボーライブ』の打ち上げにも「コウジの作ったボンゴレビアンコ」というメニューがあったという裏話も交えつつ、「コウジの作った料理だと、ボンゴレビアンコが忘れられないですね」と『レインボーライブ』愛とコウジ愛を一気に示して見せた。結果は、「ボンゴレビアンコ」に軍配が上がり、やはり作品に出てきた料理は強い、という結論に至った。
次のコーナーは、事前に募集したお便りにオバレの3人が応援メッセージを送る、「オバレから愛をこめて! 応援メッセージ」。「周りの人を笑顔にするような料理人になるため日々修行中です」というお便りには、やはり料理が得意なコウジ役の柿原が答える。柿原は、「コウジは作詞作曲がメインのはずなのに、料理のことしか触れられない! 音楽がメインの作品なのに!」と笑いを取りつつ、「料理は1に愛情、2に愛情で、3に努力。難しいことを考えすぎずに大好きな人に作ってあげると思って作ったら、ほーら! 人を笑顔にする料理のできあがり、ファイトー!」とコウジからのメッセージを読み上げていく。
2件目は「私はいまファッションデザイナーになるために頑張っています。いつかオバレに着てもらえるような衣装が作れたらいいなと思っています」というメッセージ。こちらはヒロ役の前野からエールを送る。「いけるさ、コウジ!」、「がんばって!」といったヒロとコウジの小芝居をはさみつつ、「わぁ、僕たちの衣装もデザインしてもらえるのかい。カヅキはすぐ照れちゃうんだけれど、僕とコウジは結構攻めた衣装でも大丈夫! 楽しみにしているね、がんばって! ……見たかコウジ! 一番うまく励ませるのは、俺だ!」と、応援のあとに『レインボーライブ』時代のヒロ様のセリフを入れる遊び心も。
最後のメッセージは、「歯医者さんが怖くて、なかなか病院に行けずにいます。『怖がるな、がんばれ』って言ってもらいたいです」というセリフ指定のもの。こちらはカヅキ役の増田が担当し、「何っ! お前……歯医者が怖いのか。大丈夫だ、怖がるな、がんばれ! 俺たちが目指すのは歯医者じゃない、勇者だ! バーニーング!!」と作中での印象的なセリフと自信の決め台詞「バーニング」の合わせ技を披露した。
続いて、『レインボーライブ』から彩瀬なる(加藤英美里)、福原あん(芹澤優)、小鳥遊おとは(後藤沙緒里)、森園わかな(内田真礼)、りんね(佐倉綾音)、涼野いと(小松未可子)からのボイスメッセージが届く。※ボイスメッセージ全文は、レポート最後に記載。
その後、脚本、青葉譲(菱田正和)による書きおろしストーリー朗読劇「Over The Rainbow 胸キュンジャンプは楽屋から」がスタート。ライブ前の楽屋にて、オバレの3人がこれから開催するライブで、どういったプリズムジャンプを飛ぶかの議論を重ねていく、というストーリー。「いままでテレビ放送とか映倫を気にして出来なかったやつがあるんだ」という、菱田監督の心を代弁するかのようなセリフをヒロが読み、3人の新しいジャンプ「グンナイ→今夜は寝かさない」のあとのできごと、「朝チュン! グッモーニンシリーズ」が生み出された。詳細は次ページへ。
ここで柿原、前野、増田がステージから退場し、そのままイベントは終了……かと思われたが、急きょ流れだすオバレの軌跡映像。そして、新作・劇場版『KING OF PRISM-PRIDE the HERO-』が2017年6月より新宿バルト9ほかにて全国ロードショーされることが発表。怒号のような歓声や嗚咽混じりの叫び声で祝福された。
劇場版『KING OF PRISM-PRIDE the HERO-』制作決定告知映像
さらに間髪入れず、オバレのデビュー曲「athletic core」のイントロが流れ、ステージに返り咲く柿原、前野、増田の3人。まさかのサプライズスペシャルライブのスタートに、一心不乱にサイリウムを降りだすエリートたち。「バーニング! まだまだ終わらないぜ!」、「みんな、パラダイスに行く準備はできてるよね?」、「ありがとうの気持ちを込めて歌います」とそれぞれ増田、前野、柿原。
ライブ後、続編についてまず柿原が「みなさんのおかげです。次はさらにパワーアップして、もっともっとみなさんの熱い応援がとどろくような作品にしていきたいと思っています」と意気込みを語る。「我々がこうして3人で結成する礎となった『レインボーライブ』から応援してくださっている方も、『キンプリ』から知った方も、ぜひもう一度『レインボーライブ』を観返していただけたら嬉しいなと思います」と前野。続く増田は「カヅキとしては、『ぜってぇ続編では、負けねえからな!』と、熱い気持ちを持って挑みたいと思います」と万丈の気を吐き、今回のイベントは幕を下ろした。
「Over The Rainbow」が結成されたのは、『レインボーライブ』最終話(第51話)「GIFT」)が放送された2014年3月29日。最終話で突如おひろめされた「Over The Rainbow」のCGライブと新曲「athletic core」。結成から約2年半、ようやくエリートたちの前でライブを披露する機会に恵まれた。
「過去に怯えるか? 否! 今!! ふり絞り挑め 延長戦」。「athletic core」の歌詞は、常に「Over The Rainbow」のいまを表しているかのようだった。最終話での「athletic core」、2014年12月に開催された「プリパラ&プリティーリズム クリスマス☆パーティー」でのHiro×Kojiの「pride」、2015年3月公開の『劇場版プリパラ みーんなあつまれ! プリズム ツアーズ』ボーイズルートでの「Flavor」、そして『キンプリ』。毎回「今回で最後かもしれない」という思いとは裏腹に、延長に延長を重ねてきた「Over The Rainbow」。『キンプリ』公開直前のニコ生で菱田正和監督は、『夢を夢で終わらせない。奇跡は起きるものではありません。起こすものです』と語っていたことが、今は現実のものとなっている。「athletic core乗り込んで 夢動かせ伸ばせ でかい未来 俺達で組み替えろ」。次の未来は、2017年6月、劇場版『KING OF PRISM-PRIDE the HERO-』だ。「Over The Rainbow」は永遠に続く、希望の虹。今度もきっと、でかい未来を見せてくれることだろう。