保険の大きな枠組みを知ったところで、次になぜ保険に入りたいのかをはっきりさせておきましょう。「不安だから」という漠然とした理由では、勧められるがままに必要ない保険にまで加入してしまうなんてことになりかねません。

「病気時の医療費に備えたい」「病気時に家族が困らないようにしたい」「女性特有の病気が心配」など、保険に入りたい理由は人それぞれですが、多くの人が重視するのが「万が一の医療費の保障」ではないでしょうか。

そして、医療でお金がかさむのは「入院」や「手術」です。医療保険の保障は主に「入院費用」と「手術費用」で成り立っています。この2つの保障をどれだけ厚くするのかを決めた上で、各自の目的によって保険のタイプやオプションを選択するというのが、医療保険選びの基本となります。

乳がん子宮頸がんなどの女性特有の病気に対応した「女性疾病特約」や、「がん(悪性新生物)・急性心筋梗塞・脳卒中」の三大疾病に対応した特約については、CMなどで見聞きする人も多いかもしれませんね。これらを自分にとって必要か否かを判断することも重要なポイントです。

公的制度との組み合わせも活用

医療保険の一般的なプランでは「入院給付金日額」が5,000円または1万円で、「1入院の支払い限度日数」が60日、「手術給付金」が入院給付金日額の10倍となっています。この保障を超えた医療費は自己負担になりますが、厚生労働省の患者調査によると入院患者の8割以上が60日以内に退院しています。

もちろん、60日を超える可能性もありますが、保障日数を増やせばそれだけ保険料は高くなってしまいます。そんなときに利用できるのが国の公的な制度。保険だけに頼らず、これらの制度を使うことを忘れてはいけません。

健康保険の高額療養費制度を利用すれば、医療費の自己負担が高額になったケースに返金を受けられます。また、足りない分を貯蓄から支払うという選択肢もあります。すべてを保険でカバーしようとするのではなく、自己負担できない部分を補てんするととらえ、自分の年齢や生活に合った保険を選ぶとよいでしょう。

ライフプランによって必要な保険は異なるもの。今の自分に何が必要か、不必要かをまずは確かめてみるところから始めてみてくださいね。

※写真と本文は関係ありません

筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。