発表会の冒頭では、まず日本HP 代表取締役 社長執行役員 岡隆史氏が、HP全体の事業展開と概要について紹介した。
HP Inc.をワールドワイドで見ると、ビジネスPCのシェアNo.1ベンダーとして高い成長を維持しながらシェアを伸ばしている。
ビジネスPC市場では上位3社の寡占化が進んでいると分析し、圧倒的なポジションをつくることがHPのチャレンジだとした。一方、国内ではビジネスPC市場は2013年がピーク。厳しい状況が続いているものの、直近の4月~6月で、日本HPはNo.2のポジションを確保している(出展:IDC Japanデータ)。
今後のビジネスPC市場は、OSのリプレイスメントサイクル需要もあり、2017年以降は徐々に成長路線へ入ると短期的な展望を述べた。岡氏は日本HPの方針として、成熟した既存のPCビジネスを着実に展開したうえで、Windowsベースのスマートフォン分野(企業ユース)を成長分野の1つとしてとらえ、新規市場を開拓する戦略を表明。PCテクノロジー(Windows)をコアとしたこの分野は、日本HPの強みを生かして展開できると優位性をアピールした。f
次に、HP Inc.パーソナルシステムズ モビリティ・プロダクト・マネージメント バイスプレジデント キース・ハーツフィールド氏がHP Elite x3の製品コンセプトを解説。
HP Elite x3は、モビリティ製品の新たなカテゴリとして開発された。製品名の「x3」は、PC、タブレット、スマートフォンが1つになった意味だ。
ビジネス向けに設計し、高い耐久性能のもと、Qualcommのプロセッサ「Snapdragon 820」や4GBメモリを搭載するハイパフォーマンスな仕様を備え、日本初の「VoLTE(au VoLTE)」対応Windows 10 Mobileスマートフォンとして高い通信性能も実現した。
既存PCのリプレイスや、ワークフロートランスフォーメーション、次世代コンピューティングといったトレンド創出を狙う。具体的には、コスト・価格を抑え、高いセキュリティやIT(運用)管理費の抑制、生産性の向上などの恩恵が期待できると語った。
また、マイクロソフトコーポレーション プリンシパルグループ プログラムマネージャー テレコムエコシステム担当 ピート・バーナード氏は、Windows 10 Mobileへのコミットとして「LumiaやOEMパートナーのWindowsスマートフォンをこれからもアップデートしてサポートする」と、同じくマイクロソフトのWindows & Devices エグゼクティブバイスプレジデント テリー・マイヤーソン氏の発言に触れた。
Windows基幹システムとの高い親和性や最新のセキュリティ対策、Continuum活用による新しいワークスタイルの創造など、Windows 10 Mobileの特徴を解説した。
続いて、KDDIソリューション事業本部東海林崇氏が登壇し、「KDDI×HP Elite x3で実現するビジネス変革」について語る。東海林氏は法人部門の責任者だが、特定のデバイスについてプレゼンするのは初めてで、HP Elite x3(の販売)に気合が入っているとした。
ビジネスユーザー層のスマホ普及率は増加しているものの(60.5%)、利用は電子メールとスケジュール管理(69.9%)、音声通話(59.0%)、情報共有(42.7%)と、従来のフィーチャーフォンと変化がないと紹介(出展:ガートナー)。社内・外出先・移動中におけるデバイスの使い分けは、マシンスペックが原因で生じていると分析した。
そのうえで、HP Elite x3はPCとほぼ同等のスペックとスマホの使い勝手を実現可能な、「まったく新しいカテゴリの製品」と評価した。さらに、ネットワークサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 2」、ユニファイドコミュニケーション「Skype for Businessを利用した音声環境統合」ソリューションを紹介し、デバイス、クラウド、ネットワークが三位一体となったソリューションの重要性、ワークスタイルの変革の実現性について語った。
最後に、日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業本部長 兼 サービス・ソリューション事業本部長 九嶋俊一氏が登壇。生産性の向上、リスク低減、TCO削減を紹介した。Windows環境をベースとした操作体系を維持することの重要性や、同一の環境で統一したポリシーによる管理が重要と述べる。
また、HP Elite x3の製品特徴を「安全」「安心」「快適」という3つのキーワードから解説。「安全」は虹彩認証や指紋認証、セキュアブート。「安心」は、最大500時間(待受け)のロングバッテリー、IP67やMIL-STD810G対応。「快適」は、VoLTE対応やB&Oスピーカー、Continuum機能を利用した仮想アプリケーションクラウドサービス「HP Workspace」を紹介。HP Elite x3の製品特徴をまとめ、セッションを結んだ。