新型セレナの予約注文は日産の想定を超える件数に達している。セレナは主にファミリー層をターゲットとする車種だが、実際に購入する顧客のうち、プロパイロットを搭載したいと考える人はどのくらいいるのだろうか。日産ではセレナの販売数のうち、プロパイロットエディションが占める割合を4割程度と予想していたが、予約注文に占める同エディションの割合は7割に達しているという。
NHTSAの定義でいくと、セレナと同じくレベル2に相当する自動運転技術を搭載する米テスラの「モデルS」。この車両が今年に入って米国と中国で事故を起こし、自動運転の未来に一抹の不安を投げかけていたが、セレナの予約状況を見る限りでは、日本のユーザーは自動運転技術に依然として高い関心を持っているようだ。
自動運転社会到来を見越した日産の素早い動き
米フォードが2021年までに完全自動運転車の量産を始める方針を明らかにしたことを受けて、日本の自動車メーカーが同様の技術に挑戦する可能性を問われた星野専務は、「社会は確実にそちらの方向に向かうと確信している」と明言。日産は自動運転をコア技術の1つに位置づけて開発を進めており、2018年には高速道路での車線変更を可能とし、2020年までには交差点を含む一般道で使える自動運転技術を投入する計画だ。
実際にプロパイロットを体験したユーザーは、同技術に対してどのような感想を抱くのだろうか。それが肯定的な意見であれば、口コミ効果で同技術の普及につながるだろうし、もし否定的な意見が出たとしても、日産はフィードバックとして自動運転技術の開発に活用することができる。いずれにせよ、完全自動運転社会の到来を見据えた日産が、他社に先駆けてプロパイロットを市場投入した意義は大きいといえそうだ。