口座を上手に使い分けよう

ボーナスなどの臨時収入も毎月のお給料と同じ口座に振り込まれるのが一般的ですが、そのお金をそのまま普通預金口座におきっぱなしにしていませんか? それでは、お金は知らないうちになくなってしまいます。

臨時収入は毎月の定期収入とは別の口座に入金されるようにできればベストですが、それは難しいという人は、もらったらすぐに別の口座に移して、生活口座とは別管理することを考えましょう。とはいっても、いくつもの銀行に、口座を分散するのは手間も管理も面倒で、結局やらないという人もいるでしょう。そういう人は、「貯蓄預金」を活用するのも1つの方法です。

貯蓄預金はあまりなじみのない人も多いと思いますが、普通預金や定期預金と同じように銀行で取り扱っている預金商品です。10万円など一定額以上の残高があると普通預金よりも有利な金利がつきます。キャッシュカードも発行され、いつでもATMで出し入れが可能な点は普通預金と同じです。

ただし、公共料金やクレジットカードの引き落としなど、決済機能は付いていません。また、銀行によっては手数料無料での引き出し回数に制限がある場合もあります。ですから、生活口座として普段使いするにはちょっと不便ですが、臨時収入をいったん別に管理するために移す口座としては使いやすい口座です。

貯蓄預金口座の使い方

そして、この口座のお金は、年払いや毎月の支出項目に入らない不定期の支出に充てるようにすると家計管理がわかりやすくなります。例えば、家族旅行や帰省費用、子供の夏期講習代や合宿費用などなど、年1回~数回程度の支出で費用もその時々で変動する支出がそれ。どんな費用がどれくらいかかるのか年単位で予算を立てておくと管理しやすいでしょう。

生活口座と不定期支出口座との資金移動は、貯蓄預金をふだんメインで使っている普通預金にセットすれば、ネットバンキングでいつでもお金の振替ができるので、自宅にいながら資金移動が可能です。

このように、「毎月使うお金」「不定期に出て行くお金」「貯めるお金」と3つを明確に口座で分けておくと、資金の流れが見えやすく、家計を見直すときもわかりやすいでしょう。


堀内玲子
ファイナンシャルプランナー。証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て93年に独立。96年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別 ライフスタイル別 生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。