今後の展開
KDDIではau WALLET Marketのさらなる充実を図るため、auショップ内に商品の陳列棚を設置していく方針。来年3月までには、全国の約1,000店舗に専用什器が導入される。また、一部のショップでは「週末試食イベント」を開催する。
約8千点(8月現在)の商品数も、9月までに20万点にまで拡充される見込み。ただ、商品数を増やせばコモディティ化が進むジレンマもある。これを避けるには競合サービスとの差別化を明確にして、消費者にau WALLET Marketを選んでもらう理由が必要になってくる。そこで、趣向を凝らしたオリジナル商材の開発が進められている。そのなかのひとつ「一流シェフが贈る至福の逸品」は、4人の一流シェフによるオリジナル限定商品だ。
4人のシェフが商品のモチーフに選んだのは、auの人気テレビCM三太郎シリーズでもおなじみの「桃太郎」「かぐや姫」といった、昔話のキャラクターたち。「桃太郎トマト」を使ったハンバーグ、竜宮城にちなんだ「鯛めし」、一寸法師をイメージした「茶碗蒸し」「椀めし」といった具合だ。これらの限定商品は8月10日から9月30日まで、auショップの店頭またはスマホ/ PCサイトから購入できる(商品がなくなり次第終了する)。このほか「こだわりの”1周年限定品”」や、「豪華商品が『当たる!』キャンペーン」、そして商品のタイムセールなども行っていく予定。KDDIでは1周年を記念した数々の施策で、au WALLET Marketを盛り上げていきたい考えだ。
競合との差別化について
記者説明会の最後に質疑応答の時間がもうけられ、コンシューマ事業本部の村元伸弥氏が記者団の質問に回答した。Amazonや楽天といった、競合するECサイトとの差別化についてあらためて聞かれると、村元氏は「auショップの店頭で商品を購入いただいている層は年齢が高めで、フィーチャーフォンを使っていただいている層と被る。その中には、そもそもモバイル端末を使ってAmazonや楽天でモノを買う、という意識のない方もいらっしゃる」と回答。店舗で商品を購入している層の多くはネットではリーチできない層で、他社がリーチできない層にリーチできていることが差別化につながっていると説明した。
また「我々はリアルのショップを2,500店舗運営しており、数万人のショップ店員を抱えている。そうしたスタッフが、来店された方にau WALLET Marketの利便性、オススメの商品などを紹介していく。売れ筋の商品はショップに展示するほか、カタログにも掲載している。お客さまとのリアルの接点を活かせることが、競合サービスにはない強みになっている」と強調した。
商品数が9月の頭には20万点まで拡充されることについて、商品が多くなると選び切れなくなるのではないか、と聞かれると「au WALLET Marketになじみのないお客さまには入り口の体験として、オススメの商品を紹介する。それを購入していただけた方が、スマホやPCからリピート購入する際に、拡充した商品を見ていただける」と説明している。