■災害援護資金
住宅が崩壊し再建などを余儀なくされた場合、被災者生活再建支援金だけではまかなえないケースも少なくありません。こうした被災者を支援するため、無利子でお金を貸し付ける災害援護資金の制度があります。
貸し付け限度額は350万円、据え置き期間の3年間は無利子。据え置き期間終了後は年率3%の利率、償還期間は10年間です。貸し付け原資は、国が3分の2、都道府県・指定都市が3分の1の比率で負担しています。借り入れをするためには、震災発生から3カ月以内に各自治体への申請が必要です。
■災害弔慰金、災害障害見舞金
自然災害発生時に親族が亡くなったり、障害を負ってしまったりなど、一定の条件下に適合した場合は、国から災害弔慰金・災害障害見舞金が支給されます。災害弔慰金の受給対象者となるのは、配偶者・子・父母・孫・祖父母。支給金額は、一家の生計維持者の方が死亡した場合500万円、その他の方が死亡した場合250万円です。また、重度の障害(両眼失明、要常時介護、両上肢ひじ関節以上切断等)を受けた方は、生計維持者の方が250万円、その他の方が125万円支給されます。
いずれも各自治体への申請が必要ですが、災害時には自治体が正常に運営できなくなることもあり得ます。避難所や近所の人たちとの交流など、その場に応じた情報収集をするように心掛けましょう。こうした国からの支援金はとても助かりますが、地震保険に加入しておく、万が一のためのお金を貯めておく、といった各自の備えももちろん重要です。もしものことを考え、ふだんからしっかりと準備しておきましょうね。
筆者プロフィール:武田明日香(たけだ あすか)
エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル!」「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人を送るための知識を伝えている。人生の"やりたい"が"できる"に変わるお金の教養スクール開講中!