ヤマトの未来の家は……
7月29日東京・台場で開かれた新しい“家のカタチ”を提案する「HOUSE VISION 2016 TOKYO EXHIBITION」(7月30日・土~8月28日・日)の内覧会で、プロダクト・デザイナー柴田文江氏とともにヤマトが提案したのは、「冷蔵庫が外から開く家」。
従来の宅配ボックスのタイプだと、一般的なダンボール1つくらいのサイズまでしか入らなかったが、ヤマトが提案する宅配ボックスには、最大5つのボックスがある。
縦長のボックスはコートの長さに合わせて設計されていて、クリーニングした洋服を入れることが出来る。クリーニングのボックスの上は、薬用。現在だと処方箋の宅配にはハードルがあるが、高齢者世帯が増加し、自分で受け取りに行けない人が増えることが予想できる。そういったニーズに答えるボックスになるだろう。そして、従来の宅配ボックスで一番困ったのは、冷蔵、冷凍保存が必要な食品をおいて置けないことだろう。その課題に応えるのが、右側のボックスになる。常温で保存ができない食品、たためない洋服などに対応することができれば、確実に配達できるというわけだ。
ボックスは、一度入れると家の内側からしか開けることができなくなる設計で、盗難などを防ぐようにしている。さらには、温度設定や、宅配連絡、集荷などといったことをスマートフォンのアプリなどで管理するという。
ヤマトなどはあくまで未来の宅配のあり方としての提案であり、実用化に向けた具体的な検討はこれからとしているが、自社に限らず多くの業者が利用可能なものにしていきたいとしている。
ヤマトの提案は物流から家を考える発想だが、日常生活で接触の高い場所に、ひと工夫したインフラを作ることで、再配達をなくす提案は、さまざまなアプローチができるのではないか。新たな発想の提案に期待したい。