最後に、まとめを兼ねて使用感と簡単なベンチマーク結果をお伝えしたい。前頁の通り、本機はエントリー向けのバリューモデルでスペックに特筆するような特徴はない。しかし、簡単なベンチマークを踏まえてみると、かなり価格と性能のバランスの良い1台という印象を持った。なお、ベンチマークはあくまでも試用機での結果となり、量産機と異なる可能性があるので注意したい。

VAIO C15試用機のシステム情報

WIN SCORE SHAREの結果

CrystalDiskMark 5.1.2の結果

■「ドラゴンクエストXベンチマークソフト Ver.1.4k」ベンチマーク結果
グラフィック設定 640×480ドット 1,280×720ドット
標準品質 5928(快適) 3481(普通)
最高品質 5136(快適) 2767(やや重い)

まずは画面の使用感だが、15.5型の据え置きノートとして一般的な視野角とサイズだ。アンチグレアの液晶は見やすく、かつ光沢モデルと比べ発色にさほど違いは感じられない。ベゼルはプラスチック製で価格相応の印象だ。解像度はHDと低め。これが気になるユーザーはCTOでフルHDを選択しても良いだろう。

キーボードはストロークが深く、打ちにくさはない。キーピッチは実測19mm。配列は標準的で、バックライトは非搭載。キートップはプラスチック製で、打鍵時にやや揺れる感覚があるが、慣れの範囲内だろう。

タッチパッドはホームポジションに合わせ、左寄りに配置されている。ここは意見が分かれるところだろうが、個人的な好みとして中央に配置して欲しかったところ。サイズは実測9.9mm×6.8mmで、大きくもなく小さくもない。追随性は良好で、指を載せるパッド上にははっきりとした凹凸がある。クリックボタンは独立式。まれに指と(触れてしまった)手のひらを誤認することがあり、エントリー機種なので難しいかもしれないが、同社の他モデルで搭載しているタッチパッドの誤動作防止機能が欲しいところだ。

キーボード面は丸みのある凹形状になっている

性能面では、ブラウジングやOffice、メールなどは問題なく動作。YouTubeも1080pを長時間スムーズに再生できた。重いと言われるWebサイトの読み込みもスムーズで、日常使いにまず問題はないだろう。ベンチマークも全体的に良好だが、特にドラクエベンチではコマ落ちや動作が止まることもなく、エントリー向けPCとしてはかなりスムーズに動作した印象だ。

このVAIO C15はVAIOになって実質初となるコンシューマ向け普及帯シリーズとなる。思い起こせばソニー時代にも「VAIO C」という名称のPCシリーズが存在し、それはオレンジや黄緑といった鮮やかな本体カラーが特徴だった。

バイカラーデザインのPCといえば、最近では富士通の13.3型ノートPC「Floral Kiss」が挙がるだろうが、Floral Kissはミドルクラス以上のスペックに女性向けのこだわりデザインを施した、いわば高付加価値モデル。VAIO C15はエントリー向けの製品に独創的なデザインを与え、かつ10万円以下と競合製品と戦える価格帯に落とし込んだ意欲作といえる。特にスペックにこだわりがなく、これらのカラーリングが気に入った方は、ぜひ量販店などで実機を試してみることをおすすめしたい。