運転を開始する前にチェックするポイント

□チェック1  室外機の周りの風通し

室外機は冷房運転中、吹き出し口から熱を排出しています。この吹き出し口の前がふさがっていると、せっかく排出した熱をまた吸い戻してしまい、冷房効率が下がることに。雑草などが生い茂っている場合、きちんと刈り取りましょう。

□チェック2  室外機の日当たり

室外機の置いてある場所、夏の日差しに照らされてものすごく熱くなっていませんか? 室外機が熱くなってしまうと、室外機の熱交換がうまくいかなくなり、より多くの電気を使用することに。室外機に直射日光が当たらないよう、日陰を作ってあげましょう。日陰をつくるときは、チェック1で学習したよう、室外機の吹き出しを邪魔しないように気をつけてください。

□チェック3  フィルターの状態

エアコン(室内機)のフィルターにゴミやホコリなどがつまると、空気を吸い込むために余計にパワーを使用することに。もちろん、空気を取り入れにくくなるため冷房効果も弱まりますし、電気代も余計にかかります。しかも、フィルターの目詰まりは、異常音や水漏れ、臭い、ダニやカビの温床となり、アレルギーなどの原因にもなります。2週間に一度はフィルターの掃除をしましょう。

タバコを吸うご家庭では、掃除機でホコリを吸うだけでなく、フィルターを丸洗いしてあげると良いでしょう。フィルターのヤニ汚れを落とすには、セスキ炭酸ソーダを使うのが手軽。バケツやたらいなどに溶液を作り、ホコリを落としたフィルターをそのままつけます。ブラシなどを使わなくてもスッキリヤニ汚れが落とせます。セスキ炭酸ソーダは100円均一などでも売っているので、常備しておくと便利です。

□チェック4  冷却フィンはきれいですか?

フィルターだけでなく、その奥にある冷却フィンの掃除も大切です。冷却フィンは吸い込んだ空気を冷たくするための部品。ここへ汚れがたまると、吸い込む空気の量が少なくなります。また、冷却フィンに触れる空気の量も減ってしまうので、結果として部屋を冷やす力が小さく弱くなり、余計に電気を使うことに。冷却フィンの汚れを確認して、汚れが目立つようであれば、市販品のスプレー剤を使用する、かなり汚れがひどい場合には業者に依頼するなどしましょう。

毎日の運用で大事なチェックポイント

毎日エアコンを使用する上で、これを守ると快適&エコというチェックポイントです。できることはすぐに取り入れましょう。

□チェック5  まずは部屋を換気する

帰宅して、熱くなった室内をいきなりエアコンで冷やそうとしていませんか? 部屋に入ったときに「ムワッ」とした場合には、外の空気の方が涼しいわけですから、一回窓を開け放って、外の空気と室内の空気を入れ替えましょう。

余談ですが、車のエアコンでも同じことが言えます。助手席の窓を全開にし、運転席の後ろのドア(2ドアの場合には、運転席のドア)を何度か開け閉めして車内の熱い空気を追い出してからエアコンを入れるようにすると効率よく冷やせます。

また、停車したままエアコンを全開にしていると、バッテリーに負担がかかって冷却水の温度があがり、オーバーヒートを起こすことがあります。それを防ぐには、走りながら冷やすのがおすすめです。前後の窓を全開にして走行し、車内にこもった熱を放出しつつ、エアコンは、風速最強に設定し、まずは外気導入で運転する。その後、窓を全て閉めて、エアコンを内気循環に切り替えるのがオススメです。

□チェック6  風量は「自動」で運転!

節電のつもりでエアコンを弱風や微風で起動している方、いませんか? それ、実は間違い。弱や微風での運転では、部屋が快適な温度に達するまでに多くの時間がかかり、不快な時間が長引くばかりか、かえって電気をムダに消費してしまいます。起動時は自動運転がオススメ。自動運転は部屋の温度を設定温度にするのに最も効率的な運転をする機能ですので、これを使わない手はありません。常に自動運転にしておけば間違いありません。

□チェック7  温度調整は設定温度×風量の変更で

節電のため、部屋が冷えたらエアコンは止めて、また暑くなったらスイッチを入れます……という運転の仕方は、エコではありません。実はエアコンはスイッチを入れた直後に、通常運転中より多くの電気を使います。節電のつもりで、運転スイッチの入り切れを繰り返すと、逆に多くの電気を消費することに。部屋が冷えたと感じたら、設定温度の調整をし、冷え過ぎを防ぎましょう。エアコンは、冷房時に1℃高めに設定すると約10%も節電になるといわれています。

逆に蒸し暑くなったなぁと感じたとき、すぐに設定温度を下げていませんか? そんなときには、風量設定を強にしてみましょう。風が起こることで体感温度が下がり、涼しく感じる上、設定温度を下げるよりも、消費電力が少なく、節電になります。エアコンと併用して扇風機やサーキュレーターを使うという方法もあります。併用することで、部屋の空気をまんべんなくかき混ぜ、部屋のどこにいても快適な空間を作ることができます。エアコンからの冷気が落ちてきたあたりで運転し、上に空気を送り返してあげるつもりで運転すると、足元ばかり冷えることなく、部屋がまんべんなく冷やされます。

また、ルーバー(エアコンの風が出てくる出口)が自動で動くタイプでない場合、冷房時には必ずルーバーを床と水平に設定してあげましょう。理由はカンタン。熱い空気は上の方へ、逆に冷たい空気は、床の方へたまります。エアコンの風も同じ空気。だから最初から下向きに風を送ると、床ばかりに冷気がたまって、足元だけが冷えることに。水平に設定して、なるべく上の方へ風を送ってあげましょう。

エアコンを快適かつエコに使うためのポイント、わかっていただけましたでしょうか。そうそう、エアコンにも待機電力がわずかながらあります。しかし、エアコンのプラグは、大抵独立型で、主にエアコンのそばの天井近くなどにあることが多く、毎日プラグを抜き差しするのは実用的ではありません。デイリーで使うときは、さしたままにしておく方がよいでしょう。でも、旅行などで何日か使わないという場合には、プラグを抜いて節電しましょうね。

株式会社回遊舎


"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。