半導体市場調査会社である米IC Insightsは7月14日(米国時間)、スマートフォンを含む携帯電話向けのIC市場が2019年まで年平均成長率6.7%で成長し半導体市場をけん引し続けるという予測を発表した。
携帯電話に占めるスマートフォンの割合が急速に増加するにつれて、そこに搭載されるICの平均価格がますます上昇する。その結果、2019年には携帯電話向けIC市場は943億ドルに達するとの予測だ(図1)。
携帯電話用IC市場は、2013年、2014年にそれぞれ17%、13%と2ケタ成長したあと、2015年には2%成長に留まった。2016年は4%成長の予想だが、2015-2019年の5年間の年平均性成長率は6.7%と予想される。この間の世界全IC市場の年平均成長率は3.7%と予測されるので、携帯電話用IC市場の成長率はそれより3ポイント高いことになり、携帯電話用IC市場がIC市場全体の成長のけん引役となるだろうとの見立てだ。この結果、2019年の携帯電話用IC市場規模は2015年比で3割増となる943億ドルへと成長するという。
携帯電話1台に搭載されるICの総額は39ドル
2015年に携帯電話1台当たりに搭載されたIC製品の中で最も高価なものはアプリケーション・プロセッサを含めたマイクロプロセッサ(MPU)であり、携帯電話全機種に搭載されたMPUの平均価格は9.92ドルだった。2番目に高額なのは、特定用途向けロジック(Application Specific Logic)ICで平均価格は8.55ドルだった。携帯電話1台当たりに搭載されたICの総額は全機種平均で38.78ドルだった。
DRAMメモリは、2015年の携帯電話向けメモリ市場の59%(123億ドル)を占めた。残りの大部分はNAND型フラッシュメモリだった。2015年の携帯電話向けメモリ市場は210憶ドルだったが、この市場拡大は、メモリ容量が多いハイエンドのスマートフォンの出荷台数の増加と携帯電話向けDRAM市場の6%の増加によるところが大きかった。
2015年に携帯電話に搭載されたアナログICは、一台あたり平均6.64ドル相当で、携帯電話用アナログIC市場は前年比8%増加した。2015年の世界アナログIC市場の成長率は2%であったから、携帯電話向けアナログIC市場は全アナログ市場の伸びよりも6ポイント高い成長を示したことになる。携帯電話用特殊用途アナログICは、携帯電話用アナログIC市場(125億ドル)の83%を占めた。そのほとんどがミクスドシグナルデバイスであった。