プロフェッショナルがSurfaceの魅力を語る
プロフェッショナルによる「クリエイタースペシャルセッション」では、音楽プロデューサー/作曲家の石川鉄男氏、カメラマンの大和田良氏、イラストレーターのHALKA氏という3人が登壇し、クリエイティブワーク術をそれぞれ語った。
石川氏は長きに渡ってのAppleユーザーだったが、UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションの「StaffPad」に出会ってから、Surface Pro 4を使用しているという。
「Finale」「Sibelius」といったプロフェッショナル向けソフトウェアでは、思い浮かんだインスピレーションを譜面として書き込むまで時間を要するが、Surface Pro 4とStaffPadならSurfaceペンだけで譜面を直感的に書き込めるため、アイディアをそのまま譜面に残せると魅力を語った。
会場ではStaffPadを使ったデモンストレーションを披露し、「自分の記譜はクセがあるけど、慣れてくると十分使い物になる。スタンプを貼る感覚で作曲できるのは魅力的だ。Appleを裏切って乗り換えるつもり」(石川氏)という。
プロ向けの記譜アプリケーション「Finale」と「Sibelius」。いずれも高額だが、石川氏をWindowsユーザーに転向させた「StaffPad」は7,000円。プロユースのアプリケーションとしては安価だ |
会場ではStaffPadを使用し、記譜の手順や事前に用意したサンプル曲を目の前でアレンジ。確かに目の前で見るとStaffPadの能力を再確認させられる |
カメラマンの大和田氏はSurface Bookを使用中。
例えば当日中にクライアントへ納品する作品を制作する場合、デジタルカメラで撮影した写真をSurface Bookに取り込み、フォトレタッチなどを経てから、そのまま納品するとのこと。
「Surface Bookは高いスペックを備えているため、画像処理や仕上げも問題ない。色空間は(プロ向けの外部モニターと比べると)狭いとはいえ、色の再現性は豊か。かなり的確な処理が行える」(大和田氏)そうだ。
作品のプレゼンテーション時も、PC/キャンバス/タブレットと場面に応じてスタイルを切り替えられるSurface Bookを気に入っているという。「タブレットの状態で作品を(相手に)見せられるので、撮影からプレゼンテーションまで1台で完結する。撮影機材とSurface Bookがあれば、どんな場所でも仕事ができる」(大和田氏)と利便性を強調した。
猫の写真を例にフォトレタッチを披露。大和田氏が印象的だったと語る猫の瞳を範囲選択ツールで囲み、トーンカーブで色味を調整する |
フォトレタッチのコツとして、「全体を大きく変えるのではなく、(写真を自身の)印象に近づけていく」(大和田氏)のがポイントと解説 |
特別企画・Surfaceでやってみよう!「夏休みの宿題」コンテスト
今回のイベントでは、7月15日から8月14日までの期間中に、「夏休みの宿題」をテーマにした作品を募集するコンテストの開催も発表された。応募者の中から最終作品に選ばれたユーザーに、マイクロソフトのキーボード&マウス製品「デザイナー Bluetooth デスクトップ」をプレゼントする。
その審査員を務める大和田氏は、印象的に作るポイントについて次のようにアドバイスした。「Surfaceを使うことで画像処理を自分の印象に近づけられるが、写真は目の前で起きたことを撮ることしかできない。一番のポイントは楽しい夏休みを過ごしたか、印象的な風景に出会ったかが重要。トーンカーブを使って、豊かな階調を生かして印象を強調されるのもポイント」(大和田氏)。
花と鳥をメインモチーフに作品を創作しているイラストレーターのHALKA氏も、Surface Bookを使用中。
これまではデスクトップPCとタブレットを組み合わせた制作環境だったため、「Surface Bookは持ち運べるのはもちろん、リビングでくつろぎながら作業ができる。外出先など環境を変えて作業できるのは大きい」(HALKA氏)と、Surface Bookによる作業環境の快適さを語った。
Surface Bookによる作業環境についても、「紙と同じ感覚で描けるので使いやすい。Surfaceペンで筆圧を調整できるため、(アプリケーション側で)ブラシサイズを変えなくても良いのも便利だ」(HALKA氏)と、Surface Bookが便利に使えることをアピールした。
HALKA氏も前述したキャンペーンの審査員を務めているが、彼女が担当するのは暑中見舞い。あらかじめ用意した線画イラストに配色して応募する形だ。「初めての方でもやりやすい(線が少ないほうの)イラストを使うほうが簡単。Surfaceでは簡単に色を塗れるので、色の変化や組み合わせを楽しんでほしい」(HALKA氏)と、応募者へアドバイスしている。
今回のイベント取材で驚かされたのは、来場者の多さだ。最終的な人数はカウントできなかったが、六本木のカフェを貸し切りにした会場は足の踏み場がないほど混雑し、関係者も驚くほどの大盛況。Surfaceブランドの認知度を改めて思い知らされた。
阿久津良和(Cactus)