若井友希

合間のMCでは、久保田ハッピの文字「黒」の話題となり、山北が「みゆたんも昔は『わんわんおー、二次元に飛び込みたい超絶オタクガール』と言っていたのに」と、過去に触れると久保田は「ギャー」とうずくまってしまう。奇しくも「黒」歴史を掘り返してしまったようだ。

そして、ステージにピアノが設置されると、客席はこれまで以上の盛り上がりを見せる。若井が昨年の結成3周年ライブで見せた「らむねサンセット」と「secret base ~君がくれたもの~」の弾き語りが好評だったため、今回も披露することになったという。若井は4歳のときからピアノをやっているため、その演奏力には定評があり、今回は「ユメノツバサ」と「Defy the fate」をしっとりと狂いのないハーモニーで歌い上げていく。ダンスを封印し、純粋な歌唱力だけでの表現は美しささえ感じられ、しかもメンバー間での歌唱の組み合わせは様々に変化していき、その都度新たな顔を覗かせる度に会場は魅了されていく。圧倒的なパフォーマンスと、ステージの支配力に息をするのも忘れ、気付いたら口の中がカラカラになっていたほどだ。

久保田未夢

演奏後、深々とお辞儀をするメンバー。若井は何も言わず涙を拭いていた。山北、芹澤から「友希ちゃん、今日は朝からずっと緊張して、ご飯を食べるのも忘れていたんだよね。演奏してくれて、ありがとう!」と感謝の言葉が送られると、会場からは惜しみない拍手が送られ、若井は「楽しかったです」と重みのある一言を絞り出していた。

後半戦、拳を何度も天に打ち上げる「Believer's HEAVEN」は、静と動のバランスがとても気持ちが良い。「幻想曲WONDER LAND」では、久保田の"あれ、ここ……どこだろう"のセリフからステラシアターは一気におとぎの国へと姿を変える。また、久保田は「今日から5歳のi☆Risをよろしくおねがいします」という感謝の言葉で曲の最後を締めくくるが、直後に澁谷から「4歳だよ」と突っ込まれ、「間違えたーーー」と、恥ずかしさから床に倒れこんでしまうシーンも。

気を取り直し、次の「ハチャメチャ×ストライク」はタオル振りまわし曲。まだまだ騒ぎ足りない! 休むことは許さない! とばかりに盛り上がるメンバー。芹澤は「わかんなかったら私を見ればいい!」と誰よりもタオルを振りかぶり、久保田は"キミの視線"で客席にアピールを飛ばし、茜屋は3周年ライブの時以上にソロパートを歌いきった。

さらに、「§Rainbow」、「Make it!」、「ミラクル☆パラダイス」とお馴染みのナンバーでお祭りは一気にラストスパートへ。そして、4周年ライブの最後を飾ったのは、デビュー曲の「Color」。「Color」のMVは河口湖近辺で撮影しており、今回のライブは、i☆Risにとって凱旋ライブともいえる。そんな思い出の地で、万感の思いを込めてのデビュー曲の披露となる。最後の山北の挨拶、「これからもがんばってまいりますので、i☆Risの応援をよろしくお願いします」は、一見するとごく普通の挨拶にも感じられるが、これまでの4年間の積み重ねを想うと、聞き逃すことのできない、とても大切な言葉に感じられた。

澁谷梓希

アンコールを受け再び登場したi☆Risが届けたのは、「Color」のカップリング曲として、デビュー当時、数多く歌ってきた「らむねサンセット」。"永遠に消えることのない 夢があること 信じている いつまでも"という歌い出しから始まる「らむねサンセット」をアンコールの一発目でぶつけてくるのは、真摯にファンに向き合っているi☆Risだからこそできることだろう。i☆Risという夢は決して消えることはない、まだまだ続いていく、その流れを証明するかのように披露した次の曲は、8月3日リリースの新曲「Re:Call」だ。i☆Risのシングルとしては珍しくハードなナンバーで、激しいキックなどが取り入れられた振り付けは、i☆Risとして新境地を開いた楽曲となっている。

最後にリーダーである山北から、「4年目をステラシアターでやらせてもらって、11月には日本武道館公演もあります。デビューした時には予期しなかった良い方向へ行っています。ここから11月まで勝負なので、普段はおちゃらけているi☆Risですけど、いま一度がんばります!」と改めて決意を新たに、「毎回この曲で締めていた、定番の曲です!」と正真正銘のラスト曲「Everybody Let's Go!」で掉尾を飾る。最後はi☆Risから大きな感謝と愛を込め、定番の挨拶「Love Chu Chu~」で大歓声に包まれながら「結成4周年記念Live」は幕を下ろした。

メンバーにとっても思い出深い河口湖で結成4周年を祝うという、この上ない喜びになったであろう本ステージ。1周年ライブを彷彿とさせる今回のセットリストは、11月25日に控えた日本武道館公演に向け、初心に返り、1周年ライブ以上のパフォーマンスを表現できるかどうか挑戦しているかのようでもあった。i☆Risはこの先8月の「TOKYO IDOL FESTIVAL2016」、「Animelo Summer Live 2016 刻-TOKI-」と、11月の日本武道館公演を控えている。ラスト曲「Everybody Let's Go!」の最後の歌詞は、"負けない気持ちが 奇跡を起こすんだ"である。i☆Risはまだまだ止まらない。これからもきっと、大きな奇跡を見せてくれるだろう。

i☆Ris「結成4周年記念Live~foooour~」昼の部セットリスト

M-01 Ready Smile!!
M-02 徒太陽
M-03 Happy New World☆
M-04 Summer Vacation Love
M-05 キラリ
M-06 Garnet
M-07 もってけ!セーラーふく
M-08 最強パレパレード
M-09 ウィーアー!
M-10 ユメノツバサ
M-11 Defy the fate
M-12 Believer's HEAVEN
M-13 幻想曲WONDERLAND
M-14 ハチャメチャ×ストライク
M-15 §Rainbow
M-16 Make it!
M-17 ミラクル☆パラダイス
M-18 Color
【ENCORE】
M-19 らむねサンセット
M-20 Re:Call
M-21 Everybody Let's Go!

8月3日発売13thシングル「Re:Call(リコール)」

「Re:Call」TYPE-A(CD+DVD)

「Re:Call」TYPE-A(CD+DVD)表4イラスト

「Re:Call」TYPE-B(CD)