今回行われたのは、学生たちがチームに分かれ、“サッポロのCSV”をテーマにディスカッション、ディベートし、そしてその成果を発表するという、アクティブ・ラーニングではもっとも基本的といえる学習方法だ。こうした教育の場合、教授が研究すべき企業名を指定し、大学内でアクティブ・ラーニングを完結させることもできる。
だが、今回の取り組みでは実際にサッポロの社員がアクティブ・ラーニングの現場に入りレクチャー授業を行う。実際のサッポロの企業理念や事業内容、課題などに触れることで、より実践的な“思考”が求められる。5月9日にはサッポロインターナショナル 代表取締役社長 小松達也氏が、5月23日にはサッポロホールディングス 取締役 征矢真一氏が学生たちに説明を行うなど、熱のいれようが伝わってくる。
ちなみに課題は「食を通じて世界に『潤い』を – もっと日本をもっと世界へ“KANPAI PROJECT”への取り組みを考える」というもの。そのため、サッポロ製品を海外で展開する事業を手がけるサッポロインターナショナルの代表が出張った、というワケだ。
学生側にもメリットがあったようだ。学生の一人は「机上の空論ではなく、実際の事業として考えなくてはならないのが難しかったです」と前置きしながらも、「将来、企業に勤めた際、必ずこの経験が役立ちそう」と、目を輝かせた。國學院の経済学部は一学年600人規模というが、その中から100人以上が参加したというから、学生たちにこの取り組みが魅力的に映ったにちがいない。
さて、参加した学生のほとんどが2年生と前述した。つまり、来年に誕生日を迎えた学生からお酒が順次解禁されるということになる。近年、若者のお酒離れ、特にビール離れが指摘されている。だが、この取り組みに参加した学生ならば、お酒が解禁になった際、自然とサッポロの商品を手につかむのではないか。ある意味、この取り組み自体がサッポロのCSVになっているといえよう。