――タイトルは『好きな人がいること』。「~こと」で終わるのが、すごく印象的です。
企画を練っている時からタイトルイメージがありまして、大好きな映画である、リチャード・カーティス監督の『ラブ・アクチュアリー』という作品の冒頭に出てくる"ラブ・アクチュアリー・イズ・オールラウンド"という言葉がそれでした。すべての人の心に響くというか、そういう直感的に心に入ってくるタイトルにしようと。そこからたどり着いたのが『好きな人がいること』というタイトルでした。このタイトルは多くの女性から「心に刺さります」と言ってもらえましたね。「今、好きな人がいない」という方が僕のまわりにはすごく多くて(笑)
――PR映像では、そのタイトルの後に続いて「それだけ。」というコピーが付いてますね。
プランナーとアートディレクターと話していたのは、映像でもポスターでもとにかく女性の心にダイレクトに響くものにしたいねということ。「好きな人がいること、それだけで人生が幸せになる」というメッセージを完結に言うと「それだけ。」で十分かなと(笑)。シンプルですけど、強いコピーだと思います。
――今回も『恋仲』のチームで制作されていますが、それだけに"キュンキュン"シーンに期待する視聴者も多いと思います。
その期待に全力で応えたいと思ってます(笑)。"キュンキュン"をやらせたら日本一のチームを目指しているんで(笑)
――キュンキュンシーンはどうやって考えているんですか? 大人が集まって会議したりとか?(笑)
30過ぎた大人たちが集って、会議室で延々と考えてますよ(笑)。まず自分たちが憧れるシチュエーションを考えます。つくっている僕たちがキュンとできなければ、ドラマを見てくれる方たちをキュンキュンさせることはできないと思ってるので(笑)。あと撮影の合間に桐谷さんに「こんなシーンどう?」って相談しています。「キュンキュンします」って言われたら美咲ちゃんOKということで台本に反映させてますよ(笑)
それから、会議室で動きながらシーンをつくることも多いですね。実は昨日も(演出の)金井(紘)とステキなシーンをつくってました。僕が美咲(桐谷美玲)の役をやり、金井が夏向(山崎賢人)の役をやって、その場でお互い美咲と夏向になりきってセリフを作ったり、動きを考えました(笑)。はたからみたら不気味ですよね。30過ぎのオジサンたちが何やってるんだって思います(笑)
――『恋仲』では、バス停のベンチで寝てしまい、肩に寄りかかってきた本田翼さんに、福士蒼汰さんがそっとキスして、本田さんが気づかないふりをして目を開ける…あのシーンにキュンキュンして、マネした動画をアップする人も多かったですよね。
『恋仲』のあのシーンは、金井が、撮影の前日に奥さんと練習して、あのようなステキな演出にたどり着いたらしいです(笑)
――シミュレーションしてたんですね(笑)
『恋仲』のときに、予想外に視聴者の皆さんが、シーンをマネして動画投稿してくださったのがうれしかったですね。今回も、憧れてマネしたくなるようなステキなキュンキュンシーンをつくりたいなと思ってます。
――今回は、野村周平さんと大原櫻子さんが、『恋仲』に続いて出演されますね。この狙いは?
役者とプロデューサーで作品ごとに一緒に成長してゆける関係がとっても理想だなと思ってまして、2人とはそんな関係が築けているのかなと思ってます。野村くんは『恋仲』で演じた役とは真逆のお調子者のプレイボーイのキャラクターを演じてもらいます。現場でも大変好評なキャラになってますよ(笑)。大原さんが演じる役は、このドラマの鍵となるキャラクターです。演じるのが1番難しい役かもしれませんが、役に対して真摯に向き合ってくれるので、どう演じてくれるのか楽しみです。
――主題歌にはJY(知英)さんを起用されました。タイトルもズバリ「好きな人がいること」ですね。
最初から主題歌のイメージが頭にありまして、デモテープを聞いた時に「これだ!!」と思いました。一生懸命頑張るけれど、人生上手くいかない。そんな女の子のための応援ソングを作りたいと思っていたのですが、JYさんにお会いして、話をしているうちに、JYさんそのものに曲のヒントがあるなと思ったんです。
いろんな経験をして、それでも一生懸命笑顔で頑張っている感じが、今回のヒロインと重なりました。なので、「歌詞を書くのではなくて、自分の経験を書いてほしい」と言って歌詞も依頼したんです。彼女が書いてきた、「好きな人がいることなんて、苦くて、甘くて、切ないよ」という歌詞がとってもステキで、曲のタイトルも「好きな人がいること」になりました。ミュージックビデオは、蜷川実花さんにお願いして、本当にかわいい、ステキなMVに仕上がっています。
――『恋仲』でも、家入レオさんの主題歌が絶妙なタイミングでかかっていました。
ドラマって、主題歌と一緒に記憶されるものかなと思うんです。『君がくれた夏』を聴いて『恋仲』を思い出してくださる方もいるのかなと。JYさんの『好きな人がいること』もドラマを見てくださる方々の記憶に残るように、ドラマの印象的なシーンでかけるつもりでいます。第1話のかけどころはもう決めていまして、きっと桐谷さんのシーンとマッチするはずです。楽しみにしていてください。