48年目を迎えた大塚食品の「ボンカレー」が好調だ。1968年に世界初のレトルトカレーとして産声を上げ、1973年には年間1億食を突破するなど、“国民食”のひとつともいえる存在になった。食の多様化や保存食品種の増加により、当時のような“爆発的”な売れ行きは今や期待できないが、2013年から2014年、そして2015年とここにきて年間20%増の売り上げで伸びをみせている。
この好調さは、マス広告を大量に投下した効果なのだろうか? いや、実はその逆だ。大塚食品はここ数年、ボンカレーのテレビCMを打っていない。それでも売り上げ増を続けているのは、ウェブ媒体などを通じて“話題性”を届け続けているからだろう。
話題になりやすい商品をリリース
「2013年に“電子レンジ対応”したボンカレーをリリースしました。その際にテレビCMをかなり打ったのですが、ほとんど認知されませんでした。以降、ボンカレーのPR戦略はマス広告ではなく、“話題性”を前面に出す戦略に切り換えました」と、大塚食品 製品部 レトルト担当プロダクトマネージャー 垣内壮平氏は明かす。
たとえば直近では、2013年11月にホワイトシチュー仕立ての商品をラインナップ。ウェブ上では「ゴールドなのに“白”!?」といった書き込みが目立った。また、2015年には「The ボンカレー」をリリース。「500円は高すぎ」「具材がゴロゴロで一度は食べてみたい」といった批評が上がった。
垣内氏は「2013年頃から好調です」としたが、こうした商品をリリースし始めた時期と合致する。
そして2016年7月、さらなる話題づくりに一役買いそうなのが「ひなたの恵みボンカレー」である。