ソニーは6月29日、経営方針説明会を行い、2017年度までの中期経営計画にて掲げていた連結営業利益5,000億円以上、ROE10%以上という数値目標を据え置く姿勢を明らかにした。
2015年度からスタートした中期経営計画はデバイス分野の成長が重要な柱になるとしていたものの、スマートフォンの需要鈍化に加えて、平成28年熊本地震の影響で熊本テクノロジーセンターが一部停止したことなどが影響し、業績が当初の見通しを下回った。過去に営業利益が5,000億円以上となったのは、5,257億円を計上した1997年の一度だけ。平井社長は「20年ぶり、2回目への挑戦」とするが、最高水準を視野に入れた営業利益目標に対する懸念の声があったのも事実だ。
平井社長は、そうした懸念を振り払うような強い意思をみせたものの、セグメント別の売上高、営業利益目標は大きく見直しが図られた。成長けん引事業と位置づけたゲーム&ネットワークサービス分野は上方修正したものの、同じく成長けん引事業とするデバイス事業は下方修正。課題事業となっているモバイル・コミュニケーション事業も下方修正した。
会見の冒頭で平井社長は中期経営計画の進捗に言及。2014年度までの第1次中期経営計画は、構造改革を軸としており、大きな痛みを伴ったがやりきれたと述べた。また、2015年度からの第2次中期経営計画は、構造改革を中心とした経営から成長の実現を目指してギアチェンジを行う段階であり、高収益企業への変革に向けて事業運営を進めているとした。