銀だこからみた中東市場

ホットランドは、世界に「和のファストフード」を展開することを創業時からめざしていて、2004年に香港で海外1号店をオープンさせたのを皮切りに、現在アジアで63店舗を展開している。このアジア地域に加え、さらに北米エリアで合弁会社を設立している。こういった海外展開は昨年の東証1部上場を機に加速させており、今回の中東進出のタイミングとなった。

ホットランドHPより

気になるハラル、タコは海を越えられるか

最も気になるのは、タコは中東で受け入れられるのかということだが、タコ自体は問題ない。同社は、アジア展開の中で、ハラル対応も経験済みだが、国によって決まりが異なるため、現地の法人と組んでの展開は必須と考えている。11月にドバイに銀だこ1号店をオープンさせることを目標としているが、詳しいことはまだ決まっていないという。ハラルの対応も今後シファーニッポンと詰める方向だ。

ハラルはクリアしたとして、そもそもたこ焼きは中東になじむのだろうか。その点についてホットランドの広報は、「日本の浅草や上野など有名観光地にある銀だこは、ここ1~2年訪日観光客の来店客数が圧倒的に増えているので、素地があるとみている」と答えた。さらに中東の現地には、高級な日本食か、安価だがとても日本食とは思えない料理を提供する店と両極端。そのため中間層が日ごろから購入できる日本食のファストフードの需要を取り込めていない。ここに同社が掲げる「世界に『和のファストフード』」の可能性がある。「シファーニッポンの担当者も銀だこの外がさくさく、中がふわふわという食感のおもしろさ、たこ焼きの珍しさに魅力を感じてくれた」(同社広報)と自信を深めている。今後は、1号店を皮切りに「築地銀だこ」「銀のあん」の2ブランドを中東で展開していくという。

日本の外食産業にとって潜在的なニーズが期待できる中東市場。ホットランド進出が成功するのかどうかが、試金石となるだろう。