楽天は28日、MVNO事業「楽天モバイル」の2016夏 新サービス・新商品発表会を開催した。夏モデルとして富士通の「arrows M03」、シャープの「AQUOS mini SH-M03」が追加される。このほか、楽天スーパーポイントを月額利用料金の支払いに対応させる取り組みなども発表された。MVNOの枠組みを超えて大手キャリアに近づく姿が、より鮮明となった今回の楽天モバイルの発表会。本稿で、その内容をおさらいしていこう。
モバイル業界の風雲児として
発表会の冒頭、楽天 副社長の平井康文氏が登壇して直近の施策を振り返った。1月の記者説明会で、「楽天でんわ 5分かけ放題オプション」「ショップの100カ所展開」など6項目を公約した同氏。この中でも特に、かけ放題オプションの提供は、利用者から大きな反響があったという。「新しい価値が生まれた。MVNO事業の風向きが変わった」と話す。結果は数字にも表れている。楽天モバイルによれば、新規契約者のうち通話SIMを申し込む人の割合は、2016年1月には62%だったが、5月には80%まで急増しているとのことだ。
大手キャリアで提供しているような、無料通話のプランを提供することでMVNOでもなくMNOでもない、新しい立ち位置を確保しつつある同社。平井氏は「モバイル業界の風雲児として、今後も楽天モバイルでは様々な挑戦を行っていく」と意気込んだ。
スマホ料金をポイントで
続いて、執行役員の大尾嘉宏人氏が登壇して新サービスを紹介した。楽天といえば「楽天スーパーポイント」を連想する人も多いだろう。その楽天スーパーポイントを、月額利用料金や各種オプション料金の支払いに充てることが可能になる。これは7月利用分から適用できるとのこと。では実際に、どのくらいの規模の人がサービスの対象となるのだろうか。大尾嘉氏は、楽天会員数から逆算した数を紹介した。その説明によれば、ポイントを使ってスマホを実質無料で利用できる人の数は、実に160万人以上にも上るという。
このほか、楽天モバイルを取り扱うショップが全国72店舗に拡大したことがアナウンスされた。大尾嘉氏は「店舗を増やしつつ、専門スタッフの質も向上していきたい」と説明している。