インタラクティブなコンテンツを表示することができるリッチ通知は、アプリを開かなくても、アプリから必要な情報を見せることができるようになる。
メッセージの場合は、その人とのスレッド、Uberの場合は今まさに近づいてくる配車中の車、HomeKitに対応したカメラ付きのドアホンであれば、呼び鈴が鳴った時のライブ映像など。
そのリアルタイムの情報を確認したり、必要最低限のリアクションをとれば良いものについては、アプリ外での利用に対応した方が、ユーザーのメリットは大きい。
本稿では、通知からカード型の情報が表示されるという流れを示しているが、このカード型にまとめられた情報の単位は、通知以外のきっかけでも、iOS 10上に見られる。
例えば、メッセージアプリ内でアプリの機能を呼び出す場合。レストラン予約アプリOpenTableの予約を友人ととろうとしている際、お互いにOpenTableアプリがインストールされていれば、メッセージアプリからOpenTableにアプリ切り替えをせず、カード型UIの中で、予約を取ろうとしているお店の情報を閲覧し、予約を決定することができる。
また、一般の開発者に解放されたSiriについても、呼び出すサードパーティーのアプリの単位は、リッチ通知と同じようにカード型のUIとなる。地図アプリでも同様だ。
つまりAppleは、iOS 10に際して、開発者に対し、アプリの機能をカード型に分断していくよう促している。自分のアプリの機能をカード型で切り出すことによって、そのアプリを開いてもらわなくても、他のアプリの中で機能を使ってもらえるようになるからだ 。