AK300の特徴を詳しく見ていこう。音楽再生まわりでは、長兄にあたるAK380の高音質化思想をそのまま引き継ぎ、同じサイズのきょう体に惜しみなくエッセンスを詰め込んだ。使い勝手においても、Astell&KernがAndroidベースで自社開発したプラットフォームにWi-Fi通信機能などを載せて、心地よい操作感と豊かな拡張性を持たせている。
デジタルオーディオの音質を担う重要なパーツの一つであるDACチップには、旭化成エレクトロニクスのプレミアムDACである「VERITA AK4490」をシングルチップで搭載する。これに精度が高く低雑音のVCXOクロックを組み合わせ、音楽ソースを極めて忠実に再現できるハイグレードな環境を整えた。何より、iriverが長年に渡って培ってきた音づくりのノウハウが注入されていることが、AK300にとって最大の強みだ。
きょう体のメイン素材にはアルミニウムを使い、ジュラルミン素材のAK380よりも軽量化を図っている(本体205g)。同等の堅牢性を備えながら、スマホとの2台持ちにも負担が少ないのが嬉しい。Astell&Kernはボディに銅を採用した「AK380 Copper」を製品化したり、「AK240」ではジュラルミンのほかステンレススチールのモデルを用意するなど、マテリアルがプレーヤーの音質に大きな影響を及ぼすことにいち早く着目し、数々のバリエーションを積極的に展開してきたブランドだ。