結婚に関する悩みをすべて解決
2016年4月27日、スマ婚は新宿のショールームを渋谷に移転。新たな試みとしてカフェのようにくつろげるスペースを併設した。無料のコーヒーを飲みながらウエディングドレスを眺めたり、結婚情報誌を読んだりと来店者は自由に過ごすことができる。「具体的に結婚が決まっていないカップル、2次会の幹事を請け負ったご友人にも来ていただきたい。1人でも友人同士でもいい。フラッと入って情報を収集したり、気が向いたらDIYイベントに参加したり、気になることがあればプランナーにいつでも声をかけてくれれば。気軽に入れるブライダルカフェとして、結婚に関する悩みをすべて解決できる場所にしたい」と新地支社長は意気込みを語ってくれた。
結婚予備軍の取り込みがカギ
今後ますます少子化は進み、婚姻件数は減少していくと予想されている。さらに挙式・披露宴資金に対する意識も、年々シビアになってきている。
「ひと昔前は、披露宴や新婚旅行に費用をかけることが夢としてとらえられていた。しかし、今は現実的なカップルが増えている。結婚式後の生活を見据え、身の丈にあったセレモニーを行い、余ったお金はその後の生活資金にまわす。特に女性のほうが現実的にみているようだ」(新地支社長)。なかなか浮揚しない経済環境の中で、この傾向はさらに強まっていくだろう。
そうした状況である以上、ブライダル業界も今後は、結婚情報誌やWebサイトに広告を掲載したまま、「お客が来るのを座して待つ」という従来型の"待ち"のビジネスでは、売り上げ維持は難しい。
若者の街である渋谷に、気軽に入れるカフェスペースを併設したショールームを作ったスマ婚。まだ結婚を具体的に考えていない若年層の潜在ニーズに訴え、将来の顧客化を狙う"攻め"の戦略だ。スマ婚によって「結婚予備軍争奪戦」の火蓋が切られたといっても過言ではない。