コンビニを巡るホットな話題。そのひとつにカウンターコーヒーがある。セブン-イレブンをはじめ各社はレジ回りにコーヒーマシーンを導入し、コンビニコーヒーのイメージを変え、市場を築いた。そのコーヒーマシーンを活用してさらなる売上拡大を図ろうとしているのがファミリーマートだ。好調のフラッペに新味を投入、コーヒーではアイスカフェラテをリニューアルし、売上増に結び付けたい考えた。フラッペとアイスカフェラテには、つながりが見えないが、そこには共通の狙いがあるのだ。
コンビニのコーヒー市場
コンビニのコーヒーと言えばかつては缶コーヒーだった。それが今ではカウンターコーヒーを指すといっても過言ではないだろう。それほどまでにカウンターコーヒーを買う姿が日常的になり、コンビニにおける存在感も増しているように思われる。
存在感の大きさは数値にも表れる。国内のコーヒー市場は約1兆5,000億円。コンビニのカウンターコーヒーはそのうちの13%程度、約2,000億円というのがファミリーマートの見立てだ。2015年度におけるコンビニ大手5社のコンビニコーヒーの販売計画は前年度比約3割増の約19億杯。国民一人当たり年間15杯を消費するとんでもない量になっている。
カウンターコーヒー市場は一気に膨らんだが、今後はどうなるのか。少なくともファミマは、まだまだ拡大の余地ありと見ている。
そのために同社が行ったのが、アイスカフェラテのリニューアル。見た目ではわからないが、6月6日からファミマのアイスカフェラテにはある変化が起きている。
新作では、使用するコーヒー豆を増量、お湯の量を減らしてミルクを約30%増量させた。これにより牛乳とコーヒーの割合は従来の牛乳62%、コーヒー38%から、新作では牛乳80%、コーヒー20%という比率に変わった。
なぜ、配合比率を変えたのか。それは、大手カフェチェーンの配合比率に近づけることで、カフェ専門店のニーズを取り込めると見ているからだ。
配合比率の変更だけではない。味にもこだわりを見せるのがファミマ流だ。「生乳100%の使用ミルクを使用して"本物"を提供できるのがファミマのカウンターコーヒーのよさ。大手カフェチェーンでは加工乳を使うところもありますが、フレッシュな素材をプラスするおいしさにこだわっています」(島田奈奈 商品本部ファストフーズ部長)とする。
品質、値段で勝負というのがファミマのアイスカフェラテの戦略だ。そして、それは、新たにコンビニの定番メニュー化しつつあるフラッペにも受け継がれている。