牧生くんを応援したくなるほどの演技

――二人のお芝居の印象はいかがでしたか?

窪田さんのお芝居は、全部に圧倒されましたね。台本からの想像を覆すかのように、怖さ倍増でくるので! 「じゃあ、試してみる?」って、サラッと狂気なセリフを言っちゃう! 毎回鳥肌が立ってました。窪田さんの演じる牧生くんはすごく切なくて、純粋に樫野くんに憧れるあまり残酷になっちゃうから、私は牧生くんを応援したくなってしまいました。

――ドラマでは、窪田さんと藤ヶ谷さんの、キスシーンのような人工呼吸シーンもありましたが……。

このシーンはもう本当に、見守るだけでした。多分、見ている視聴者の方もキラちゃんと同じ顔をしてるんだろうな、と思いながら演じていました。一部では、キラちゃんが恋に破れちゃうんじゃ、樫野くんは牧生くんとくっついちゃうんじゃ、と言われましたけど(笑)。素で驚いている演技になりました。

――藤ヶ谷さんのお芝居についての印象はいかがでしょうか。

もう、藤ヶ谷さんの演じる樫野くんが太陽みたいで、全部がキラキラでした。映画での樫野くんの男泣きもすごく切なくて。泣きのシーンはト書きに書いていなかったので「あれ、泣いてる! 書いてあったっけ!?」と思って、一番ぐっときちゃいました。私も涙がぽろぽろと出てきて。

毎日泣くシーンがあった

――映画のなかで、飯豊さんが好きなシーン、キュンと来るシーンを教えて下さい。

樫野くんが、キラちゃんを教室から連れ出すとこです! こんなことされたら、絶対好きになっちゃう! 憧れちゃいますよね。あと、ジーンとくるのが、海で一緒に砂のお城を作るシーンです。「こんな人が私の人生でも現れたらいいなあ」って思うくらいです。

――ストーリーの展開が激しいので、気持ちの切り替えが大変だったのではないでしょうか?

毎日泣くシーンがありました。監督さんにも「そんなにお菓子食べてるけどこれから泣くから」と言われました(笑)。

撮影中はいつもヘアメイクさんが相談に乗ってくださって、「第二のキラ」のような存在でした。撮影現場で、藤ヶ谷さんがよくラブソングを流してくださったんですが、ヘアメイクさんが「さっきのシーン切なかったですね」と泣き出してしまったり(笑)。私はカットがかかっても泣き続けてしまうことが多かったので、そんなときも支えていただきました。逆に、藤ヶ谷さんと窪田さんはあえてそっとしてくれました。