iOS 10とApple Payの新機能
iOS 10のアップデートの大きな部分は、前述のOS X 10.12との連携や、後述のApple Musicリニューアルに絡むところに依存する。それ以外の新機能は不明な部分が多いが、おそらくは今年9月にリリースが噂されるデュアルカメラを搭載した新型iPhoneのほか、来年2017年に有機EL (OLED)搭載で大幅刷新が見込まれるiPhone本体のリニューアルに合わせたタイミングで新機能発表が行われるとみられ、どちらかといえばWWDC16の時点では機能強化と他のプラットフォームやサービスとの連携の部分に説明の比重が置かれることになるだろう。
ただ1つ大きいとみられるのは、Apple Payに関する話題だ。まずは提供エリア拡大について、米国、英国、カナダ、オーストラリア、中国、シンガポールに次いで7番目のエリアとして香港またはスイスが発表される可能性が指摘されている。このほか、Apple PayやiMessageの仕組みを使って個人間送金が可能になる仕組みの実装が進められているという話があり、このタイミングで発表される可能性がある。個人間送金は米国でPayPal傘下のVenmoが若年層中心に非常にブームになっているという背景があり、Appleとして是が非でもこのトレンドを取り込みたいところだろう。このほか、Apple Payに利用されているiPhone内のNFCアンテナの機能を一部開放してサードパーティが利用可能にするという噂も出ており、このあたりにも注目だ。
そしてiPhoneとは直接関係ないが、iMessageのAndroidアプリをWWDCのタイミングで発表するという話題が出ている。Siriのインタフェース開放と含めて、今後のプラットフォーム拡大を考えるうえで同社のサービスの一部外部開放は不可避とみられており、留意しておくといいだろう。