実は日本の食卓にもあるスーパーフード
森氏によると、スーパーフードという言葉は非常にあいまいな概念。「栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ」と協会では独自に定めている。「栄養価がこれくらいとか数値的な基準はない。一方で、食歴が長くあるものかどうかを重視している」という。何百年単位、何千年単位でずっと食べ続けられているものは安全の証であり、パワーが多くの人に認められているであろうという考えからだそうだ。そういったものは日本にもあり、日本スーパーフード協会では独自に「ジャパニーズ・スーパーフード」を提唱している。その中には大豆や穀類なども含まれている。
ホテルや専門店も。広がる外食シーンでの利用
「昨年の後半から外食の相談が増えたという印象がある」と振り返る森氏。アサイー単独では、カフェメニューとしてすでに定着しているが、ここのところ複数のスーパーフードを扱う専門店がオープンし、ホテルのレストランメニューへの導入などが相次いでいる。
渋谷駅の近くでスーパーフードを組み合わせたサンドウィッチ専門店ができたほか、ホテルニューオータニのレストラン「SATSUKI」では、4月にリニューアルした朝食ビュッフェ「新・最強の朝食」でスーパーフードをカスタマイズできるヨーグルトバーを始めた。健康志向の強い方や外国人客を中心に好評だという。
ビュッフェレストラン「三尺三寸箸」「上海柿安」の初夏の期間限定メニュー(左)アマニ油、ココナッツ油などを使ったドレッシングが選べる「自家製柔らかサラダチキン~爽やかレモン風味~」(右)「チアシード入りカラフルコールスローサラダ」 |
またビュッフェレストラン「三尺三寸箸」「上海柿安」では初夏の期間限定メニューとして(6月20日まで)チアシードやココナッツ油などを使ったサラダやメイン料理を提供している。「スーパーフード」と銘打った期間限定メニューは今年の春ごろから始めて今回が2回目。広報担当者によると「スーパーフードは、価格が高く気軽に試しづらい食品だが、ビュッフェだとお金を気にしなくて済むお得感が売り」だという。30代から50代の女性、家族連れなどの利用が多いが夜の時間帯はアルコールの提供もあることから仕事終わりで利用する客も多いという。
ハードルは値段。利用拡大すれば健康維持に寄与
スーパーフードというと、何かと値段が張り、どのように調理したらいいか分からないのが難点で、スーパーで購入して日常的に利用するまでのハードルは高い。だが、外で食事をとる際に、選択肢の一つとして試せるチャンスがあれば、より身近な存在になるだろう。これから専門店はさらに増加する一方で、チェーン店などでのメニューも出てくることが予想でき、健康維持がより手軽にできるようになっていくことが期待される。