「このプロジェクトを考えた時に最適だと思った」と小室氏が評価し、第1弾としてこのサービス対象となるのは、近年人気エリアになっている武蔵小杉駅近くのマンション「パークシティ武蔵小杉 ザ ガーデン」の入居者だ。三井不動産レジデンシャルによると、およそ3年後に入居開始予定で、現在は入居希望者に対してモデルルームの公開を行っている段階だという。なぜここが最適なのか。
時短マンション
このマンションは、武蔵小杉という東京へも横浜へも出やすいという立地などから、同社が手がけたマンションとしては初めて共働き世帯を意識して、設備やサービスを考案。実際、渡辺所長によると見学に来ている人の7、8割が共働き世帯だという。
食洗機が標準装備されていたり、お風呂洗いもやってくれる。生ごみも気にしなくていい。家事の「面倒くさい」をうまく設備がアシストしてくれる。そのほかにも、住民は靴の修理やクリーニングの集荷引取り、託児サービスといったサービスも受けることができる。仕事と育児に専念でき、自由な時間も作れそうだ。このマンションのサービスに、“食”“掃除”の部分で3社がアシストする。サービスの提供方法はまだ検討中とのことだが、入居者専用サイトなどから、サービスのオーダーをするといったイメージだという。
“女性活躍”マンションは広がるか
今後このプロジェクトは他のところとも一緒にやっていくことを考えているという。家庭外の力でどれだけ時間に余裕が生まれるだろうか。先進的な事例となるだろう。ただ、設備・サービスを見て分かるとおり、今回の対象となりえるのは、収入が高めの世帯だ。“女性活躍”の広がりを支援するには、「幅広い層が享受できるようにするためにはどうしたらいいのか」という方向での検討もぜひしてもらいたい。ここを先進事例として、サービスの幅が広がるのか、はたまた別の方法が見えてくるのか。この事例から、“衣食住”トータルの支援が広まることが期待される。