既存ユーザーの壁を越えて新たな施策が打ち出せるか
Twitterの利用の落ち込みという課題に対して、ツイッター側もさまざまな取り組みで利用の回復に向けた取り組みを進めている。特に、ツイッターの創設者であるジャック・ドーシー氏が2015年10月にCEOへと復帰して以降、同年8月にはダイレクトメッセージの文字数を140文字から10000文字に拡大したほか、今年2月には重要だと思われるツイートをタイムラインの上部に表示するなど、さまざまな改変がなされている。
また今年1月には、ダイレクトメッセージだけでなく、ツイートできる文字数を10000文字に拡大するという報道がなされ、それに応える形でドーシー氏が、長文の画像を用いて文字数拡張の可能性を示したこともあった。この試みは、ユーザーの反発を受けて実現には至っていないが、140文字ルールを若干緩和する方針が5月24日に発表された。今後も利用を拡大するため、さらに改変を加える可能性は十分考えられそうだ。
また、ツイッターはTwitter単体だけでなく、6秒の動画を再生できる「Vine」を2012年に、そして動画のライブ配信サービス「Periscope」を今年3月に買収するなど、利用が高まっている動画のコミュニケーション拡大も進めている。最近ではこれらのサービスと、Twitterを積極的に連携させる取り組みを進めていることから、今後ツイッターはユーザーの幅を拡大するため、文字だけでなく動画を主体としたコミュニケーションの取り組みを増やしていくとも考えられる。
少なくとも現在のTwitterのスタイルを維持しているだけでは、スマートフォン時代に登場した新しいサービスに押される形で、利用者数が頭打ちの状況が続くことは明白となっている。だが一方で、現状のTwitterを好んで利用しているコアユーザーも少なくなく、安易な改変は一層のユーザー流出へとつながる可能性もある。既存ユーザーを満足させながら、新しい取り組みを進めることは容易ではないだけに、ドーシー氏の手腕が大きく問われるところではないだろうか。