目の疲れを引き起こす行動
■長時間のパソコン使用
■長時間のコンタクト装用
■慢性的な寝不足
目の疲れが原因である場合、血管収縮剤入りの点眼をすれば症状が改善されることもあるが、「充血そのものは、体の正しい反応です。充血という『結果』を血管収縮剤入りの目薬でごまかすのではなく、ちゃんと『原因』を突き止めて生活習慣を改善してほしいですね」と味木医師は話す。
例えば、目をこする動作は何の気なしにしてしまうため、発症後に原因に気づきにくいこともあるかもしれない。だが、目の疲れが原因の場合、普段の生活から思い当たる節もあるだろう。その悪い習慣をしっかり見直すことが大切というわけだ。
その他には「お風呂に入る」「お酒を飲む」という行為も、血管拡張作用があるために充血を引き起こすことがある。ただ、これらは健康体の人でもなる自然な反応。入浴後や飲酒後によく充血をする人は、この血管拡張作用によるものと思ってほぼ間違いないだろう。
結膜下出血と充血を見分けるポイント
充血同様、白目部分(眼球結膜)が赤くなる疾病として「結膜下出血」があるので、この際にこちらも覚えておいてほしい。結膜に存在する大小の血管が破れ、結膜の下に出血が広がる病気だ。
時には結膜全体、すなわちすべての白目部分が真っ赤になることもあり、明らかに「何かやばいぞ! 」という見た目になる。ただ、まれに「視野が狭くなる」などの症状を伴うものの、ほとんどの結膜下出血は痛みやかゆみもなく、1~2週間ほどできれいな白目に戻るという。
結膜下出血と充血を見分けるポイントは「血管の走行が見えるかどうか」だ。前者は白目がべったりと赤く染まるために血管が見えないが、後者は黒目へと向かう血管がはっきりと見える特徴がある。
だが、この2つが混在しているケースもあるうえ、充血にしろ結膜下出血にしろ、重篤な目の疾病につながる恐れもある。へたな"素人診察"はせずに、気になったときはきちんと医療機関を受診をするようにしよう。
記事監修: 味木幸(あまき さち)
あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。