この他に雇用保険や厚生年金、介護保険などの社会保険があります。厚生年金は健康保険と同様、企業が費用を半分負担しています。65歳からもらえる年金の積み立てと認識している人も多いですが、それだけではありません。厚生年金保険料を納めている人が亡くなった場合、遺族には遺族厚生年金が支払われるなど、わたしたちの生活に沿った支援を受けることができるのです。
遺族を手厚くケアする労災保険
いざというときにとても重要ですがあまり知られていないものとして、労災保険があります。勤務中や職場に向かう途中で事故や災害にあった場合に、お金が支給される社会保険の一つです。正社員に限らず、アルバイトやパートなど、賃金をもらっているすべての人が加入対象です。保険料は事業主に全額支払い義務があるため、従業員の負担はありません。
労災保険はケガや病気の他、死亡まで適応され、支給額はケースによって大きく異なります。身体に障害が残った場合は医療費の他、一時金や障害年金が支給されます。加入者が亡くなった場合は、遺族に一律300万円の支給の他、葬儀費用や遺族特別年金が支払われることになります。労災保険を使わないですむにこしたことはありませんが、万が一のときの金銭的な補償があることを知っておけば、安心につながりますね。
毎月の給料から保険料などが天引きされているとがっかりしますが、このように働くうえで大切な制度を担うのが法定福利。その他にも、社員の勤労意欲向上のために独自の法定外福利を設けている会社も多く存在します。社員持ち株制度などもその一つ。この機会に、自分が勤めている会社にどのような福利厚生があるか、しっかりと確認してみてはいかがでしょうか。
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筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)
エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。