今年のWWDCの傾向は?
今年のWWDCが6月13~17日にわたってMoscone Center Westで開催されるというのは、以前に筆者が同イベント会場のスケジュール情報を元に紹介したとおりだ。ただ1点、予想と違っていたのが基調講演の行われる場所。
例年であれば、WWDCの基調講演は会場と同じMoscone Center Westの1フロアを使って行われる。プレスリリースの説明によれば、今回は基調講演のみBill Graham Civic Auditoriumで開催されるという。ここは2015年9月のAppleスペシャルイベントに使われた場所で、サンフランシスコ市議会の斜め向かいにある。同社のスペシャルイベントとしては大きめの会場ではあるが、Moscone Center Westの1フロアをすべて使って行われる基調講演会場と比べれば、特別大きいわけではない。これは何を意味するのか?
1つは、イベント規模そのものの拡大だ。基本的にWWDCではMoscone Center Westしか使わないため、これが参加登録人数に大きな制限をかける理由でもある。従来まで基調講演に用いられていたフロアを開放することで、基調講演後のセッション収容人数が拡大し、以前と比較してもイベント全体の参加者人数が増える可能性がある。また、基調講演会場が別途用意されることで、WWDC本体の個別の技術セッションには参加しない招待客(例えば報道関係者やVIPなど)の人数が増やされることも考えられる。
増やされた枠が純粋に一般の参加希望者の増員に割り当てられるのか、あるいはプレスリリースでも説明されているようにスカラーシップでの参加枠増員や他の教育向けプログラム関係者向けに開放されるのかは不明だが、イベント全体の規模拡大に貢献するのは間違いないだろう。