――続く「Psychedelic Drive」はどんなイメージですか?
LiSA「一言でいうと『ワイルド・スピード』?」
――スピード感、ノンストップ感?
LiSA「それと、ちょっと露出度の高い姉ちゃんが乗っている派手な車?」
――ピンクのキャデラックみたいな?
LiSA「そうそう(笑)。ネオン管がバンバンついているような派手な車」
――その中でどういった世界観を創りだそうとした曲でしょうか?
LiSA「自分が作ってきたエロ路線? 女を前面に出した路線の延長線にあるもので、欲とか本音とか、そういった深いところです。本当は知られたくないけど、そういうものも、この5年かけて出せるようになってきたんじゃないかと思います」
――そういった部分を出していくのは、LiSAさんにとってはどういった感情なのでしょうか?
LiSA「楽しいです。こういう曲を書くのが一番楽しい。だってワガママに書けるんだもん(笑)。ほかの曲は、自分でセーブしたり、カッコつけたりしている部分がある。やはり、人に見られたり、憧れられたりするだけじゃなく、自分自身もそうなりたい、そうありたいっていう希望の部分がメインになるじゃないですか。でも、こういう本音みたいに、今あるものを吐き出すのは、ただただ解放すればいいだけなんで」
――その場合、本当はこういう人なんだって思われるリスクもあると思うのですが、そのあたりは?
LiSA「気にしないです。だってこうなんだもん、しょうがないじゃんって(笑)」
――それはある意味、この5年間で積み上げられてきた自信から出てくるものですね
LiSA「そうですね。最初のころは絶対に無理だったと思います」
――特に今回の歌詞で、自分の嫌な部分が出てるなって思う部分はありますか?
LiSA「やっぱり、『キライキライキライ……』のところですね。こんなにキライキライって……あまり他人にキライって言えなくないですか? 私、あなたのことキライなのよって言えるのは、けっこう溜まりまくった後じゃないですか。それをいっぱい言ってやろうと(笑)」
――続く「She」は、ダーク路線というかロック色が強くなった曲です
LiSA「曲を作ってくださったPABLOさんは、バンドをやっていた身からすると、『P.T.P. (Pay money To my Pain)』なんて大先輩で、みんなが憧れた存在。特に私たちはそういう世代なんですよ。だから、私からすると好きなものの一つなんです。たとえば『Green Day』が好きだから、『Green Day』に曲をお願いしたいというのと同じで、PABLOさんが好き! だからPABLOさんにお願いしたいみたいな感じでお願いしました(笑)」
――どういう曲を書いてほしいというお願いをしたのですか?
LiSA「とにかくカッコいいのを作ってくださいって(笑)。それだけです」
――そのカッコいい曲に対して、どのような詞をつけようと思いましたか?
LiSA「曲が持っているジャンル、キャラクターってあるじゃないですか。だから漠然と思い浮かぶ感情、怒っているのか、悲しいのか。喜怒哀楽があるとすれば、まずその中のどれなのか。まずはそこから詰めていくのですが、今回の曲は"悲しい"と"怒っている"かなって思いました」
――曲はもちろんですが、詞も激しい感じに仕上がっています
LiSA「歌い方も含めてけっこう振り切ってますね。仮歌をPABLOさんが歌っていたんですけど、それがめっちゃカッコよかったので、PABLOさんも一緒に歌いません? って誘って、『I'm justice!』とか『Hey you! Just get away from me!』とかは、PABLOさんに歌ってもらっています。メッチャかっこいいんですよ。声がカッコいいのって、それだけでズルいなって思いました(笑)」
――そういう意味でも、今回のミニアルバムの中のカッコいい系代表みたいな感じの曲ですよね
LiSA「『She』は、ファーストインパクトでぐっと掴まれる曲だと思います。私自身もPABLOさんから最初にもらった段階でぐっと掴まれました。だから、最初はこのミニアルバムに入れるつもりじゃなかったんです。何ならシングルまでとっておきたかったくらい好きな曲だったんですけど、やはり『LUCKY Hi FIVE!』にはこの子が必要だと思ったので、『お前、行け!』って(笑)」