データセンター内に入るには、静脈の生体認証が付いたゲートを通っていく必要がある。

サーバルームに入室するには、ICカード認証と静脈認証が必要

最初に案内してもらったのが、2階・3階にあるサーバルームの外気導入部分である。白河データセンターは「呼吸するデータセンター」と表現されることがあるように、空調モードによって建物の壁が開いたり、閉じたりするような仕組みとなっている。

左側は建物内、右側は外壁

室内の温度や湿度によって、モーターダンパーが閉じたり、開いたり、調整される。この向こうは外

ここから外気を取り込んで、センター内の空気を冷やしている。

1号棟・2号棟の構造はやぐら上になっており、暖かい空気を上昇させる道をつくっている。

縦の構造だけでなく、平面でも暖かい空気と冷たい空気が流れる道を分けて、効率よく空調を行っている

サーバの熱によって、暖められた空気は、てっぺんに設けられているチムニーから排気されることになる。

空調モードは全6パターン用意されており、外気を取り込んで循環させる「全量外気」以外にも、センター内で循環させる「全量循環」などがある。全量循環の場合はチムニーから排気せずに、センター内で循環させていく。冬場などは白河の気温が低く、排気する必要はあまりないそうだ。

全量外気モード時の流れ

全量循環モード時の流れ

ここは、暖かい空気が流れるホットアイル

暖かい空気はこの上へ昇っていく

また、サーバルームには超高感度煙検知システムが設置されている。検知システムは室内の空気の変化を常時監視しており、コードなどが発熱して発煙する前の化学物質の変化を検知しアラートを出すという。煙が発生した場合は、窒素ガスで消化されるようになっている。

超高感度煙検知システム

サーバはというと、白河データセンターでは、IDCFが提供するクラウドサービス「IDCFクラウド」のサーバが動いている。採用されているのは、オールフラッシュストレージ「EMC XtremIO(エクストリームアイオー)」だ。

稼働中の「EMC XtremIO」。需要に応じて台数を増やす予定だ

それでは、ホットチャンバーにあたる、データセンターの4階へ。ここには冷たい空気は流れ込まないため、暖かい空気が充満している。

先ほど見上げた天井からサーバルームを見下ろした光景

さらにここから上階へ移動し、はしごをのぼっていくと暖かい空気を排出するチムニーに到達する。

「ここまで案内した人はいません」と言われながらものぼっていくと…

ここが最上階のチムニー

小さいドアを開けると、となりのチムニーがすぐそこに

外から見ると、このようにチムニーが並んでいる

1号棟・2号棟の見学はこれで終了。いよいよ新設された3号棟へ。