ダイドードリンコも

こうした市場環境の変化に対して、直截的な表現で危機感を募らせるのが、ダイドードリンコだ。同社の場合、売上の85%が自販機からであり、市場環境の変化に対応するための施策として、スマホアプリ「Smile STAND」を4月1日にリリースしたとする。消費者と自販機の新たなかかわり方を創造し、自販機の存在を高めたい考えだ。

今年4月より東京・大阪でスマホアプリ対応自販機を約800台設置。2016年度中に約5万台、2018年度までに約15万台に広げていく予定(画像:ダイドードリンコのニュースリリース)

特徴は、日本コカ・コーラのアプリと同様、対応自販機のドリンク購入でポイントを管理できること。ダイドードリンコの場合は、そのポイントを使って、プレゼントキャンペーンに応募できるようになる。先々はポイントの付与にとどまらず、同社が掲げるスローガン「こころとからだに、おいしいものを。」に沿うように、アプリを通じて「健康」「学び」「安心」といったキーワードに付随したコンテンツの提供も視野に入っているようだ。

当初の位置づけとしては、試験的な取り組みであり、全国に28万台ある自販機のうち、今年4月より東京・大阪で約800台設置を対応させる。2018年度までに約15万台と半数以上を対応自販機を増やす方針で、力の入った取り組みとなりそうだ。

次の一手に期待

自販機とスマホアプリを組み合わせた取り組みはまだスタートしたばかりだが、その背景を探ると、厳しい環境のなかで、いかに消費者との接点を確保し、拡大できるかといった動きのあらわれと見ることができる。

そのアプリも今はまだ、消費者にすれば"ちょっとおトクになる"というほどのものだが、日本コカ・コーラのようにアプリからの取得データの活用は、新たな自販機マーケティングの到来も期待させる。ダイドードリンコもまだサービス展開の始まりを表明したに過ぎない。スマホアプリ活用の次なる一手がどんなものになるのか、注目しておきたいところだ。

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