レンズのちょっとした汚れが疾病を招くとなると、ユーザーからすれば厄介だろう。発症して間もない段階だと、コンタクトを外した際、ちょっとした目のかゆみや充血といった症状が出る。それほど自覚症状がなければそのまま放置してしまう可能性があるが、これが「恐怖のスパイラル」の始まりだと味木医師は指摘する。

「アレルギー性結膜炎になると目からの分泌物が多くなって、レンズがさらに汚れやすくなり、汚れも取りにくくなるという悪循環に陥ります。症状も悪化しやすくなり、そのまま放置していると、角膜に傷や潰瘍ができ、後遺症をもたらします。ひどい場合だと、『一生コンタクトレンズをやめてください』というケースにもつながりかねません」。角膜潰瘍は失明に至るケースもあるという。

こまめなメンテナンスが最大の防御

これらの最悪の状況は何としても避けたいが、空気中にも無数のほこりなどが舞っているため、コンタクトをこういった汚れから防ぎきるのは不可能だ。となると、「汚れたままのレンズを装用し続ける」という間違った使用法を避けるためには、こまめなメンテナンスが不可欠となる。

例えば、2週間タイプのユーザーだったら、アレルギー性結膜炎のような症状が出てきたら、症状が治まるまでワンデータイプに変更するのも手だ。また、コンタクトを電灯に透かすなどして、汚れが残っていないかチェックするのもいい。いかに自分でできる「メンテナンス術」を身に着けるかが肝要と覚えておこう。

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記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。