うがいの前後に2つのポイント
この2点で「うがいは完璧! 」と思いきや、近山さんはうがいの「前後」にも重要なポイントがあると指摘する。
「うがいの際に清潔なコップを使える場合は良いですが、外出先などでは手で水をすくってうがいをすることもあると思います。もしその手に雑菌やウイルスがついていたら、せっかくのうがいも逆効果。うがいの前に、きれいに手洗いすることが大切です」。
手洗いも流水で流すだけではなく、手のひらや手の甲、爪の間や指の間、親指や手首と、きちんと洗浄した手で、うがいをするようにしなければならない。まずは、きちんと手洗い、それからうがい。この2つをしっかりと心がけたいところだ。
また、「ペッ」と吐き出した水をそのままにしてはいないだろうか。実はここにもポイントがあるのだ。
「吐き出した水には雑菌やウイルスが残っているので、流水できれいに洗い流しましょう。色のついているうがい薬を使うと分かりやすいですが、吐き出した水は意外と飛び散っています。万一、それに触れてしまうと、そこから感染につながってしまうかもしれません」。
次に使う人のためにも、ただ蛇口からの水を流すのではなく、洗面ボウルなどをしっかり流水で洗い流せればバッチリ。職場の洗面台など共用スペースを使う場合には、特に気をつけたいポイントだ。
「うがい」で口臭対策も
そして最後に、誰もが気になる口臭対策にもうがいが有効だということをお伝えしよう。
「うがいは口の中を洗い流すので、口臭対策としても有効です。うがい薬は効能・効果が『口臭の予防』のものと、『口臭の除去』までできるものがあります。口臭が気になる方は、複数の製品の表示を見比べてうがい薬を選んでみると良いでしょう」。
「正しいうがい」の方法は、覚えてしまえば意外と簡単。うがいを習慣にして、感染症になりにくい生活スタイルを心がけてみてはいかがだろうか。
取材協力: 近山純乃さん
薬剤師。明治 栄養営業本部 栄養商品開発部 技術応用企画グループに所属し、OTC医薬品の学術を担当。うがい・手洗いの啓発活動として教材となる冊子などに関し、学術面でサポートする。2014年からは明治のうがいキャラクター「カバくん」とともに、各地の小学校に出向き、うがい・手洗い教室の講師も行なっている。