ちゃんと「うがい」はしているはずなのに、季節の変わり目になるとせきがゴホゴホ。そう感じている人は、実は「正しいうがい」ができていないのかもしれない。それどころか、間違ったうがい方法で逆に雑菌やウイルスを体の奥に入れてしまっている可能性もある。
そこで今回は、「正しいうがい方法」を学ぶべく、明治の薬剤師・近山純乃さんに話を伺った。
2種類のうがいの使い分けが重要
うがいをする際、いきなり上を向いて「ガラガラ」している人はいないだろうか。「えっ、それがうがいじゃないの? 」と思った人は、普段のうがいが実は逆効果になっているかも。
近山さんは、「うがいをするときに、いきなり『ガラガラうがい』から始めてしまうと、口の中に残っていた雑菌やウイルスを喉のほうに送ってしまうことになってしまいます。なので、まずは口の中を『クチュクチュ』とすすいだ後に、『ガラガラ』を2回する方法をオススメしています」と2種類のうがいが重要と話す。
では、うがいをするための水の量やうがい時間はどのくらいがベストなのだろうか。「基本的には1回20ml、合計で3回やるので60mlが目安です。1回の時間は15秒くらいが良いでしょう」とのこと。近山さんオススメのうがい方法をまとめると、下記のような手順になる。
(1)まずは「クチュクチュうがい」……食べ物のカスや、口の中に残っている異物を洗い流すために「クチュクチュうがい」を実行。水を口に含んだら、ほおを膨らませたりしぼめたりして、含んだ水で口の中を勢いよく洗い流すようなイメージでクチュクチュして、吐き出す。
(2)次に「ガラガラうがい」……今度は、天井が見えるくらいに上を向いて「ガラガラうがい」。水を含んだら喉の奥を洗うイメージで15秒前後、「あー」と声を出しながらうがいをして吐き出す。
(3)最後にもう一度「ガラガラうがい」……のどをしっかり洗浄するために、(2)と同じ「ガラガラうがい」をもう一度する。
そうじや起床の後のうがいも効果的
効果的なうがいのタイミングは、外出から帰ったときやそうじの後などがよいそう。それ以外にも「朝起きてすぐや、寝る前もオススメ。朝は寝ている間に増えてしまった口腔(こうくう)内の菌を口や喉から外に出すことができますし、寝る前にうがいをしておくことで寝ている間の菌の増殖を最小限にすることができます」とのこと。
ところで、「うがいをするならばうがい薬を使ったほうが良い」というイメージを持つ人もいるだろうが、実際はどうなのだろうか。
近山さんは「もちろん、うがい薬を使うことで雑菌やウイルスへの対策になりますが、『いつも使わなければいけない』というものではありません。インフルエンザなどの流行期における対策や、不調を感じたときなど、うがい薬の用法を守って使用することが大切です」。普段は水で、風邪などの流行期はうがい薬で、と使い分けるのがよさそうだ。