将来はキャリアフリーにしたい
記者説明会の最後に、質疑応答の時間がもうけられ村上氏、和泉氏が記者団の質問に回答した。ターゲット層について、和泉氏は「難しいところ。シニアの方は健康意識が高い。そこで若い世代の方々、若いからまだ身体に無理がきくと思っている30~40代の方がターゲットになり得る。楽しいですよ、おトクですよ、とアピールしながら展開していきたい」と説明した。
マルチキャリア化について、和泉氏は「いまのところドコモユーザー向けだが、ゆくゆくはキャリアフリーに持っていきたい」との見解。歩いておトクなどで取得したデータの利用範囲について聞かれると、村上氏は「将来的には活動量のデータを一元管理するプラットフォームをつくり、それを何らかの形に加工して別のサービスで利用することも考えている」と回答した。
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程度に差はあれど、ある一定の年齢を超えれば誰しも健康への関心は高くなる。ただ健康のための取り組みを継続することは、簡単なようでなかなか難しい。特に働き盛りの30~40代は、運動のための時間を確保すること自体が困難だ。そこで歩いておトクでは発想を転換して日常生活で繰り返される運動、例えば自宅と会社の往復でさえ運動と捉えた。”これまで運動したかったけれどできなかった”という層に響けば、隠れた需要を掘り起こすことができそうだ。継続を促す施策としてバーチャルツアーを用意し、歩いただけ金額(dポイント)に換算される仕様にした点もユニークと言える。
些細なことながら個人的に気になった点などをいくつか。まずスマートフォンをバックの中に入れたまま歩いたとき、どのくらい正確に歩数がカウントされるのだろうか。歩いたのに歩数がカウントされないのは悲しい。お金(ポイント)が絡むだけに、ややこしい感情も生まれそうだ。もっとも、かといってスマホを手に持って歩けば、ドコモが禁止を呼びかける”歩きスマホ”を誘発しかねない。また、ドコモ利用者なら導入の敷居は極めて低いと言えるが、それでも月額300円を支払う前に一度試したいという人もいるだろう。つまり期間中いつでも、そして何度でも止められるお試し期間が欲しい。このほか、運動を継続させるために人と競争できる仕組み、あるいは連帯感が感じられる交流サイトなどがあったら良いのではないか。一人では続かないことも、一緒に頑張る人がいれば続くものだ。
健康には関心があるが、何から始めたら良いか分からない、きっかけが欲しい、実際はそんな人が多いのかも知れない。新年度は、何か新しいことを始めるには良い季節。生活環境を改善したい、自分を変えたいという人にとっては、これが良い機会になるだろう。